なんというか……。盲目のまま、返し縫いをしているかのようですね。
前世と今世、少しずつ立場を変えながら、同じような感情を繰り返して。
やるせないですね……(つ﹏<。)
作者からの返信
盲目になってしまったエリックの行きついた先です。返し縫い!その通りかもしれません。
カイリも、もしあの暑苦しいほど愛してくれる両親ではなく、前世の様な両親だったなら、もしかしたらエリックと同じ様にまた嫉妬に支配されてしまう人間になっていたかもしれません。
とはいえ、カイリは前世の頃から割と良い子ではありましたが(苦笑)。
エリック編は、最初からやるせないのがテーマというか、決まっていたので。
すっきりしない感じで申し訳ないですが、次のエピソードに必須だったので頑張ります。
というか、救いが欲しいので頑張ります(真顔)。
むぅ……
カイリは強くなった。剣技とか聖歌とかじゃなく、心が。
そして、カイリの心に従って決着をつけるべきだった。と、私は思います。
ここでのケントの登場は、果たして吉なのでしょうか? 彼の姿に覚悟を決めたカイリの今後に影響しないか、とても気になります。
作者からの返信
カイリ、強くなったでしょうか。
先を書いている身としては、この時点で強いかどうかを判断することが私には出来ません苦笑)。
もしかしたら薄々感付いているかもしれませんが、エリック編は終了しても、カイリのこの心の決着はこのエリック編では付きません。
ケントの登場が果たして吉なのか、今後に影響しないのか。
それら全て含めて、次に始まるエピソードで決着がつく。はずです。
エリックの心の奥底にあったものは「村が、嫉妬に狂ってしまうほどに好きだったこと。」だったのだな、と思いました。
好きだったからこそ、自分が見てもらえないと思って、辛かった。
自分が辛い理由を、カイリが居るから、にしてしまった。
エリックの気持ちは、今までにも独白で語られていたので、だいたい知っていましたが、今回、改めてふと思いました。
もしも、エリックを騙した狂信者ふたりが、本当の教会関係者だったら、カイリとエリックの運命はどう変わっていたのでしょう?
行商人のエリックの知識では、「教会は『善』」だと思います。教会が胡散臭い、と現在のカイリが思っているのは内部を知っているからで、世間的には「教会は、素晴らしいところ」であるはずです。
エリックとしては、嫉妬もあったでしょうけれど、「歌を歌える人間が、村に閉じ込められているのは、おかしい」と感じて、「カイリに外の世界を教えてあげる」という、「お兄さん」的な気持ちもあった。自分がしようとしていることが、『悪』だとは思っていなかったのではないでしょうか。
カイリはずっと村の外に出たいと思っていました。ラインが出ていくと言っても誰も止めないのに、自分はだめなのはどうしてだろうと思っていました。
おそらくエリックも、カイリが外に憧れていることは知っていたと思います。エリックとしては、外に出ればカイリは「聖歌騎士様」になれる、村では何もできないと嘆いていた彼が、誰もが憧れるような存在になれる、と教えてあげることは『善』だったかもしれません。
エリックにしても、歌がそんな凄いものだということは、村を出てから初めて知ったはずなのです。こんな大ニュースを教えてあげないことは『悪』。カイリの歌を独り占めにしようとしている村のほうが『悪』だったかもしれません。
自分に近づいてきたのが、狂信者だと知ったときになって初めて、エリックは自分が間違えていたと気づくのでしょうけれど、自分は正しいと思ってきたなら認めたくないでしょう。
……エリックの気持ち、村の大人たちなら、たぶん、分かっていますよね。自分たちがエリックに歌の重要性を隠していたことが、不幸を招いたと。
カイリが村で皆を弔ったときのように、また、亡くなった皆が出てきて、エリックに、ひとこと言ってやってくれないかなぁ……。今、周りにいる人たちは、教会のことを知り尽くしているから、エリックの気持ちは分かってくれないだろうから……。
(エリックを弁護してしまった……)
作者からの返信
最初の頃は、エリックのことを雑魚雑魚言っていた月ノ瀬さんが!
これだけ熱くエリックを弁護して下さっている……!
ちょっと感動してしまいました(笑)。
始めの頃は、本当に皆さんエリックを雑魚と言うし、恐いと言うし、大丈夫かなと思っていたのですが。
最初と最後で少しずつ印象が変わる様に書いているつもりだったので。
だんだんと皆さんのエリックへの意見が変わっていくのを、はらはらどきどきしながら見守っていました。
フランツやレインはともかく、カイリ達教会関係者で、かつ闇に触れている者達からすれば、カイリと同じ様に「教会は『善』ではない」と考えてしまいがちです。そして、何故それが分からない、という感じになると思います。
けれど、あまり一般人から見た視点が無いのであれですが、教会に携わっていない一般人からすれば、教会は「善」なわけです。
狂信者のことだって、危険だ危険だと言われてはいますが、聖歌騎士さえ関与しなければ「対岸の火事」なわけです。だって、普段は関わらないですから。危ないのは聖歌騎士と、私利私欲が絡む教会騎士だけです。あと、巻き込まれた一般人。
でも、巻き込まれた人は全員死ぬわけですから。それほど広まないのが現状なわけです。
エリックについては、本当に人間らしい人間、という感じで書いてきました。
善も悪も両方がっつり併せ持った、心の矛盾に振り回される象徴の様に。
正直、エリックの場合は「嫉妬」の方が大きかったとは思いますが、それでも心の奥底では「カイリに外を見せる」というお兄さん的な感情も残されていたとは思います。
相談も受けていましたし、聖歌騎士になれば誰かの力になれるという気持ちもどこかではあったでしょう。
ただ、カイリのことは村の外に漏らすなという村の掟を破った時点で、エリック自体は「悪いこと」と気付いてはいます。それでも、村の人達ほど「悪いこと」という認識はしていなかったはずです。
だって、「何故」話してはいけないのかが本当の意味で分かっていなかったから。この点が、村全体の過ちだったわけです。
そして、こんなに素晴らしい「歌」を教えないことが「悪」、村の人達は「悪」という気持ちも何処かで芽生えていたと思います。中途半端な認識ほど、恐ろしいものはない、ということです。
狂信者だと知った時は、エリックは絶望しましたね。
教えたのは悪いことだけど、自分がやっているのは必ずしも悪いことではないはずだ、カイリのためにも、自分のためにも、教会のためにもなると言い聞かせていたところで、完全に悪いことだったと思い知らされたわけですから。
本当は分かっているけれど、それでも嫉妬や自分の正当化など諸々で盲目になり、最後はカイリのせいにして自我を保っていた感じです。
エリックの気持ちは、当然あの優しい村の大人達なら、ライン達も含めて分かっていると思います。最初から全てを明かしておけば、今回の不幸は避けられたのだと。
フランツとレイン以外は、多分エリックの気持ちは分からないでしょう(この二人は、割と客観的に物事を見れるのである程度は分かるとは思います。ただ、分かるだけで、自業自得だと切り捨てる人達でもあります。特にレイン)。
カイリも、エリックからの叫びだけだと、お兄さん的な気持ちには気付けないでしょうから、本当の本当はカイリのことが好きなんだ、カイリのことも思っていたんだ、ということは分からないでしょう。分かれという方が無理です。
加えて、カイリは兄弟がいたことが無いので、兄の嫉妬、というのもやはりあまり理解は出来ないと思います。
あの狂信者が、本当に教会関係者だったら。
どんな未来があったかは想像でしかないですが、少なくとも二人が分かり合う未来もあったかもしれないなと思います。
でも、エリックが爆発する機会が無いので、やはり本当の意味では分かり合えなかったかもしれないなとも思います。