外伝 涼浦銀華のゼロからのスタート3
二日間に及ぶ受験もようやく終え、それから数日後の合格発表日の結果は、見事に受かったのだ。
晴れて、高校に進学で来たギンカは久々に学校に登校するが、そこではギンカの兄の噂等は流れてなかったものの、それでも、ギンカはこの先を見据えているので今更クラスメイトと馴染むことなく卒業式まで静かに一人で過ごし、最後お世話になった担任に礼を言った後すぐに新天地である、都会に引っ越しお世話になった親戚の家に住み込んだのだ。
ギンカはこの新居に引っ越しするあたり都会に馴染めるように、ギャル雑誌を読み漁り流行りや最新のファッションを調べ上げ、周囲に馴染むようにギャル風の言葉を使う事を練習したのだ。
その結果『上谷ヶ丘高校』入学時には完璧な都会なギャルになり替わったのだ。
これなら、すぐにクラスの人気者になれる・・・・・そうギンカは心の中に確信したのだが・・・・入学式から一週間後・・・・彼女の成果は・・・・・
「(なぜか友達ができないんだけど~~~~~~~~)」
休み時間教室で机に伏しながら心の中で訴えながら高校デビューは失敗していた。
それもそのはず、この学校は、進学校の為偏差値も中の上位なので、ギンカが思ってる程の派手な都会のギャルはあまりいなかった。
それどころかギンカは高校生活初日からいきなり化粧に胸の谷間があいた改造制服や改造カバンにスカート丈の長さの校則違反にアクセサリーをジャラジャラと理想的なギャルを演じたのだが、それはあまりにも度が過ぎる為、クラスメイトはかなり引かれており、いきなり担任から注意を受けたりと災難だったのだ。
現在は初日と比べて派手さは抑えているが、周囲から浮いてる存在になっていたのでその第一歩がかなり険しくなったのだ・・・・・
それに加え、受験日に出会ったちょいイケメンの男も、校内中探しても、あの時の顔が曖昧過ぎたのもある為、一向に見つからなく、完全に高校生活いきなり迷走していた。
「(く・・・・・・・・・さすがに一週間ボッチはまずいか・・・・とにかく話しかけないと始まらないな。まずは適当にうちよりギャル度は低いけどあれにするし・・・・・といってもうち、一年以上も同学年の子と話してないけど、うまく話せるか・・・・)」
いざ、行動するも、引きこもりが災いしたか、緊張してか震えが止まらなく、どうコミュニケーションを取ればいいか、完全に忘れていた。
なので行動ができずにしばらく固まっていた。
「(どうしよう。どうしよう。マジヤバい。マジヤバい・・・・」
「ねぇ・・・・」
「ディジェ!?」
突然、後ろから生徒に声をかけられ、慌てて、変な声を出していた。ギンカが振り返るとおさげの同じクラスに女子生徒が声をかけてきた。彼女は、見た目は地味な顔をしていたが、クラス委員長をしており、見た目に反してえらい積極的で元気いっぱいの子だった。
「アハハハハ、なにそのリアクション。とても面白いね・・・」
「う・・・・・・・うっさいし・・・・確か・・・・・同じクラスの・・・・」
「うん、同じクラスの花沢 咲那です。よろしくピーーーーーーーーーーーー(ド下ネタ発言)」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
いきなりの下ネタ発言でギンカはひっくり返った。彼女はこの見た目に反して誠実なので下ネタというものを苦手にしていたのだ。
その為、クラス替えの時の初日から下ネタで、クラスの人気の頂点を取った花沢咲那をあまり好きではなかった。
「あらららら、涼浦さんもしかして下ネタ苦手とか・・・・・」
「あ・・・・・・あたりまえし、バカじゃねぇの!!!!」
「ちょっと、涼浦さん・・・・・・・・・危ない」
ギンカはあまりにも下ネタ発言で、周りをよく見ず逃げよとしたが為、後ろの席の太めのオタク男子のグループに激突し、小柄な体系の彼女は、後ろに吹っ飛ばされ頭を打ち気絶していた。
「う・・・・・・・・・ここは・・・」
「気が付いた?」
ギンカが目を覚めると保健室のようで、そこには先ほど話しかけてきた花沢咲那が心配そうな顔で居座っていた。
「ここは・・・・・」
「保健室だよ。鈴浦さん、男子に強くぶつかった後床に頭を強く打ってたよ」
「う・・・・・・」
頭を強く抑えながらギンカは状況を整理していた。
ちなみに今保健室の先生は用事がある為不在の為、ここにはこの二人しかいなかった。
ギンカはふと保健室の時計を見るとすでに授業が始まっているので、なぜ親友でもない彼女が自分の為にここにいるのか疑問を感じていた。
「て、いうかなんでアンタがここに居んの?バリバリ授業中だよね?」
「クラス委員だから、クラスの仲間が怪我した時一緒についていくのは当たり前だよ」
「そ・・・・」
頭がまだ痛むかは不明だがギンカは横になり、花沢から目を逸らす為に逆方向で寝ていた。
「と言っても、それは建前で本当は涼浦さんと友達になる為にここに来たんだよ。だってほら涼浦さん、クラスで一度も一人でいたから気になちゃって・・・・」
「ありがたいけど・・・・・うちはアンタみたいな地味な顔と下ネタは好きじゃないから・・・・」
「ひどい・・・・・」
「じゃあ涼浦さんはどんな、クラスと友達になりたいわけ」
「・・・・・・・そりゃ顔がいいは勿論、ファッションは勿論、おしゃべり好きな子が理想かな」
「断言する・・・・・そんな思考じゃ友達はまず無理・・・・・・自分がまずどんだけコミュ障なのを現実でみなよ。だからボッチなんでしょ」
「くっ・・・・」
図星をつかれたか心臓に針を刺される感覚がするほど痛く感じていた。
確かにギンカの友達選びが限られてしかも自分の今のコミュニケーション力が著しく低下しているのでそれは無理に高いハードルだった。
「そ・・・・・・・・・・それは分かってるし!!!だからこれからバイトをしてコミュ力を伸ばそうとしてんだよ・・・・・」
「で・・・・・・それは接客な訳・・・・・」
「・・・・・・・・ボソッ」
「なんだって!!!!聞こえないよ」
「ホール・・・・今はホールだし!!!文句ある・・・ってなにその顔明らかに喧嘩売ってるっしょ?」
花沢の煽りに近い諦め顔でギンカの怒りを頂点に経ちはね起きる。
「まぁまぁ怒らない怒らない。でも、当たってたでしょ」
「ぐぐぐ・・・・・・・で、聞きたいんだけどなんでアンタは、うちにこうも親密に接する訳?クラス委員の仕事以外になんかあるっしょ?」
「いやいやないよ・・・・・・・と言いたいけど、流石にこれから友達になる人に嘘はつけないか・・・・・・・実は、涼浦さんと友達になりたかったのは、ビッチだからだよ・・・」
「は?」
とんでもない理由で、流石に予想外だったのでギンカはポカーンと口を開けていた。
「だってだって・・・高校初日からいきなりこんな、AVのギャルっぽい派手でエロそうな女の子が無性に気になったんだもん。この容姿は明らかに経験人数は軽く三桁言ってるわけですよ。げへへへへへへへへへへ」
「(なんだこいつ・・・・・・)」
狂気と思えるほどの興奮顔でさすがにドン引きだった。ギンカはこいつと関ると危ない感じをし、逃げようとすると・・・・花沢に軽く袖をつまれて逃げれなかった。
「は・・・・・・・離すし!!!悪いけどうちはこんな変態と友達になるつもりはないんだけど・・・・」
「あはははは、ジタバタして可愛いね。完全に合法ロリみたいだね。ピーーーーーーーーーーー(絶え間ない下ネタ連発)」
「ななななななななななななななななな・・・・」
その後下ネタの連発でギンカはすっかりと観念し強制的に花沢咲那と友達になった。
その後はギンカのお陰であってか引きこもりで失ったコミュ障もなんとか早く克服し、その後は、彼女の目指すカースト上位の女王様に返り咲き周囲にはたくさんの遊び友達に囲まれた。
だが、ギンカはこれだけ友人がいるのに対し未だに彼氏もいない処ビッチなのは理由があった。それは、初恋の男の子と再会し、彼に彼女がいるかどうか確認をしてから取っておくつもりだったのだ。
その彼も今も愛する彼女がいるので、完全に目的を失っていた。
~~~~~~~
そして現在に戻り、現在、ギンカは咲那と仲直りした翌日の日曜日、二人そろって、花沢神社にて、お賽銭を入れお参りをしていた。
「ギンカ・・・・・・・ギンカ」
「え?なに?」
「どしたの・・・・・さっきからボーとして、ずっと祈ったままだったよ」
「え?マジ気が付かなかったし・・・・」
「ねぇねぇなに、お願いしてたの。もしかしてエロい願いとか」ニヤニヤ
「それは、アンタっしょ・・・・祈ってる顔が完全に変態顔じゃん・・・」
「何言ってんの。人間みんな変態ライダーなんだよ!!!」
「少なくとその変態の頂点はアンタだから・・・・」
ギンカはいつものようにギンカの悪ふざけを軽く流していた。
「それにしても、アンタは昔と変わらないし・・・・・まったくなんでこんなのが親友になったんだか」
「私だって、最初は、ただのコミュ障ボッチだったのに、いつの間にか人を見下す、プライドが高い悪い子になったんだか・・・・・私どんだけギンカをフォローしてたか分かってる?」
「さぁ・・・・・知らないし・・・・・てか、サッサと行くしこれからお守り買うんじゃないの?」
「分かってる分かってる・・・・私がギンカに初めて渡したやつと同じタイプでいいんだよね?」
「いや・・・・それもだけどさ・・・・・もう一つあるか?」
「なにを・・・・」
ギンカはなにやら言いにくそうな顔をし・・・・・・・そっと言い放った。
それは、意外な言葉だった。
「アンタんとこ、効果がある就職成務のお守りあったけ?」
「ギンカって、就職すんの?」
「いや・・・・・・・兄貴にと・・・・・・・思って・・・・・」
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