九頭竜さんは意外にツンデレさんですね

九頭竜から告白を受けた俺は、そいつに誰もいない校舎裏にまで強引に連れて行かれた、そしてこいつはいつものチュッパチャップスを加えながら周囲に誰かいないか周囲を見て確認する。





「ここならいいだろ」


「おい、こんな所にまで連れてきて、次の授業完全に遅刻になるだろ」

「んなぁもん。バっくればいいだろ。優等生のお前がたかが一限目くらいサボっても成績なんて変わんねぇだろ」

「いや、俺は凡人でそこまで、成績は良くないから、学力ならお前の方が遥かに上だ・・・・・・いや上ですよ。ノアさん」

「今思い出したかのように、その名で呼ぶんじゃねぇよ」

九頭竜は、騒がないように静かに威嚇していて、俺に近づく。






「いや、だから話は後で聞くから、もう時間がないから俺は・・・・・・」

「おい、待てって言ってんのが聞こえねぇのか。マジで潰すぞ・・・・・・コラ」ドン!!!!

俺は頃合いを見て逃げようとするが、その前に俺の頬をかすって壁を思いっきり手を叩きつけ壁ドンしていて完全に逃げれなく、加えてすでに怒ってるらしく歯ぎしりで口に入っているチュッパチャップスをカリッと砕ける音がしていた。

あまりの恐怖で俺の下半身がすくんでて逃げようと思ってもできなかった。





キーンコーンカーンコーン

ああ・・・・・・ついになっていて九頭竜はこっちのものだと浮かれんばかりに、口元がにやけていた。こうなったら最後までこのヤンキーに付き合うか・・・・





「分かったよ。最後まで付き合うよ」

「素直に最初っからそういえばいいんだよ。ところでお前、昨日の件について誰も言ってないだろうな・・・・」

「勿論、樹やざーさんを始め家族にも言ってない、これは二人だけの秘密だ・・・・」

「どうも信じがたいな・・・・・」

そう腕を組みながら疑いの視線をギラリと睨んでいた。





「まぁいいや、これからお前と一緒にいる時間が増えるからちゃんと見張れば問題ないか」

「ええ、どういう・・・・俺達付き合ったんじゃないのか・・・」

「馬鹿野郎、なんでオレがお前みたいな野郎を好きなならなくちゃいけねぇんだよ。お前がうっかりあの事を喋れないないように、目をぎらつかせて、プレッシャーをかけてやるよ。そうすればオレの恐ろしさが身に染みてオレがいないときでも恐怖でそのことを言えなくしてやるほど精神攻撃をしてやるよ」

「硬派なヤンキーな癖に結構意地汚いんだな・・・・・」

「それはオレも分かってるよ。その精神攻撃は生に合わねぇ。どっちかというとボコって身体に染みこせばよかったが、昨日お前に助けてもらったから身体は攻撃したくねぇよ」

その為に精神攻撃か・・・・・どっちかというと精神攻撃の方が一番参りそうだけど、相手があの辰巳ノアさんと意識すれば平気だな。






「おいなんで、笑ってんだよ。気持ち悪いぞ・・・・」

「いや、形だけでも、辰巳ノアさんの彼女になってくれるだけで嬉しいですよ」

「お前、推しの声優の話をする途端にすごく気持ち悪くなるな・・・・。なんだか背筋がゾクッとするぞ・・・・」

あれ?なんか俺悪いことを言ったのかな?






「まぁちゃんと分かってるれるのならいいや。それよりこれから本題だ。お前に頼みたいことがあるがその前に確認したいことがある・・・・」

どうやらこれから本題に入るようだが、九頭竜の様子がさっきのオラオラさがなくなんだか、しおらしい感じになってきたぞ。これって逆に怖い感じがするんだけど・・・・そう予想を的中し、チュッパチャップスの棒を吐き出し、俺と目線を合わせようとするがなんかすぐに目を放しなんか挙動がおかしくなっていた。






「お前・・・・・オレのファンだよな・・・・・」

「はい?」

「だから質問に答えろよ」

「うん。辰巳ノアこと・・・・・いや九頭竜乃希亜のファンだ」

「そうか・・・・・・それは嬉し・・・・」

「ん?嬉し・・・・・・」

「いやいや、なんでもねぇ。追求すんじゃねぇよ。そうじゃなくて、オレが演じてるキャラの誰が好きなんだ?」

あれ?なんだか九頭竜の様子がおかしく、らしくない雰囲気を見せているんだけど・・・もしかして目の前にいるのが自分のファンだから嬉しいと思ってるのか?まぁ、今はそんなことはどうでもいい。質問を素直に答えるだけだ。






「勿論さだかちゃんに決まってるだろ・・・・・」

「そうか、お前はさだかが好きなのか・・・・・オレ的には、さだかはあまり好きじゃないが、目の前にファンがいるんだ。しっかりファンサービスしなくちゃな・・・・」コホン

そう言うと、九頭竜は喉を軽くせき込み口を開ける。






「おにいちゃん・・・・・・さだかですよーーーーー。いつも応援してくれてありがとうございます。私、嬉しすぎて涙がこぼれそうです」

・・・・・・・・・・俺は今夢を見てるのか。目の前には、目つきが悪い、ヤンキーが発したのは俺の疑似妹であるさだかちゃんそのものの声色だった。

顔はヤンキーがらしくない程おっとりした顔で無性に笑えてくるが天使の声によってそれは緩和され、自然と涙が流れ逆に発狂しそうだった。






「ふぉぉぉぉ!!!!」

「馬鹿。なに勝手に大声出そうしてんだ。マジで殺すぞ」

俺が大声を出す間一髪の瞬間九頭竜が元の声に戻り俺の口を防ぐことでなんとか騒ぎにならずにすんだ。








「ごめん。まさか目の前に天使がいたから、つい暴走しそうになった・・・・」

「・・・・・・はぁ。ますますこいつの事を信じられなくなったぞ。こうなったら一発殴ってでもオレの言うこと聞かそうかな・・・・」

「大丈夫。次さだかちゃんの声を出されても暴走しないから平気だ」

「もう出さねぇよ!!!」

「そっか。残念だな。でもやっぱり九頭竜って声優なことあって、どんな声も出せるな」

「ガキの頃から、よくいろんな声が出せるのが得意だったんだよ・・・・ってお前にそんな事を言うんじゃなかったな・・・」

そう自分に舌打ちしながら九頭竜は話を続ける。






「次に聞きたいんだけど、お前、実際どれくらいのエロゲはどれくらい持ってんだ?っというかそもそも学生がエロゲなんて持っちゃいけないだろうが。どこで手に入れやがった?」

タバコや酒、しまいにはドラックしそうなヤンキー顔がなんか優等生みたいな事を言ってるんだけど・・・・・この人、喧嘩とサボりとピアスさえなければ普通の一匹狼のクールな優等生だよな?




「うーーーーん持ってるのは中古を含めたら20作くらいかな?」

まぁその半分はブラコンの姉ちゃんの小遣いでねだったものだから後は自分のバイトしたお金で手に入れたものかな?




「後、エロゲなんてA〇azonで普通に買えるぞ」

「マジか。エロゲって恐ろしいな・・・・・」

「あの・・・・どういうことなんだ?」

「なぁ大河これが本題だ。オレにエロゲの魅力を教えてくれ?」

「は?」

そう真剣な眼差しで頭を下げていた。





「実はオレよ。今までエロゲとかアニメとか声やってたけど実は実際そんなことやったことどころか興味もなかったんだ」

「じゃあ、なんでエロゲ声優になったんだよ」

「そんなのてめぇに関係ないだろ!!!!話を進ませろ!!!!!」

なんで逆ギレされるんだ?





「そんでよ。昨日お前みたいなエロゲに興味あるやつとあったせいか、昨日の晩、ずっと考えてたんだよ。今まで無意識にやってたエロゲの声をやってる中で、初めてその世界に興味を持つことができたんだよ。そうすれば自分の持ってるスキルをさらに掴むことが出来るんじゃないかと思えてしまうんだ」

「で、どうしろと・・・・・」

「お前の持ってるエロゲ知識でオレにその世界の事を教えてくれよ」

「・・・・・・・・・・」

「どうしたんだよ。さっきから黙ってよ。なんか言わねぇと分からねぇだろ?」

ざーさんの次は今度は九頭竜か・・・・・なんで俺が知ってる女子生徒はこぞってエロゲに興味を持ってしまうんだ。もしかして女子高生は本当はスケベという、特性を持ってるのか・・・・・・まぁ理由はどうであれ、ノアさんからの頼みだから、断ることはできないな。





「分かったよ。教えるよ」

「本当か?マジで感謝するぜ。なら学校帰りに早速お前の家に行ってもいいか?」

「え?」

「んだよ!!!バイトでもあんのか」

「いやないけど・・・・・うち」

「なら決定だな!!!」

今日うちの姉ちゃんがモデルとバイトの両方がないから早く帰ってきそうなんだけど・・・・・・・まぁ推しの声優の頼みだからいいか・・・・・・






「これからよろしくな・・・・・・おにい・・・・いや、油断してたわ。ってなんで嬉しそうな顔してんだよ。用件は済んだんだから教室に帰んぞ」

九頭龍はそう照れながら俺と一緒に帰るのだが、その時、クラス全員が意味深そうに俺らを見つめたのはいうでもない。

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