第6話 病棟都市

エレベーターがついた先は長い廊下だった。

そこを進んでいくと、またエレベーターがあった。

エレベータに乗り、着いた先には広い都市があった。

「すごい・・・・・」

あ、標識。ここから一番近いのってD棟なんだ・・・

D、C、B、A、S、SSと、順になってるんだ・・・

能力、病気を発症した人たちが住む所にしては、緑も多いし、学校だってあるし、公園もある。あ、デパートまである。

「充実しているのですね。」

「はい。国の人口の約4分の1の人が住んでいますので。」

「え、そうなんですか!?」

意外と発症している人多かったんだ。

そう思いながら都市の中心から少し離れた病棟へやってきた。

壁には黒い文字で『SS棟』と書かれていた。

大きいのかと思ったら意外と小さい・・・

「SS棟に入ることになる人はごく稀ですので、他のより小さいのです。」

え、心でも読まれたかと思いびっくりしていると、

「SS棟に入る人はみなそう思うので、いつも言っています。」

あ、そうなんだ・・・

一階は大きなホールのようなところだった。

人がいるのは2階からなんだ・・・・

「つきました。ここが今日からあなたが生活する部屋、『4419室』になります。」

「4階に行くほどの人数がいるんですか?」

「いえ。いません。毎回ランダムに決まります。」

「荷物は・・・?」

「あなたの部屋に会ったものをそのまま入れました。」

「あ、ありがとうございます。」

「部屋に一日の過ごし方や、SS棟のルールなどありますのでそれを参考までに。」

「はい。わかりました。」

案内してくれた人にお礼を言い、部屋に入る。

『ほんとに、自分の部屋のままだ・・・』

と、とりあえず、綾にメールしよ。

私も、病棟に入ることになったことを。でも、SS棟のことは話したほうがいいのかな?

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奇能生譚 あっと @atto0903

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