第5話 噂の力

あの後、病棟へと連れていかれ、病棟に入る手続きをした。

「あなたはss棟に行くことになりました。最後に家族にお別れの挨拶を。」

そう、とても無機質な声が告げる。

家族にさよならを告げる。お母さんも父さんも泣いてばかりだった。

ごめんね・・・・兄妹揃って能力発症しちゃって・・・・

親不孝者で・・・・ごめんね・・・・

病棟へ続くエレベーターに乗る。エレベーターはとても白く、エレベーターじゃなく、白い世界にいるようだった。

そういえば、ss棟なんて聞いたことがないや。

「あの、ss棟ってどんなところなんですか?」

「・・・ss棟とは皆さんが知っているv棟のことです。ss棟から噂が伝わり、v棟へと名前が変わったのです。ss棟にいる者たちは特殊で、いざとなれば国を守るため戦うこともあります。」

「そうなんですか。でも、なぜ私が・・・?」

「空花様は未来を想像したとおりにしてしまう能力なのです。しかし、数分から一日以内のことしか想像できません。そして、その力は無意識に使われます。いくら練習しようとも、それは治りません。」

「でも、それだけじゃあs棟でもよかったのでは?」

「天使病です。あなたの天使病は一般的のとは違い、能力の影響で寿命は縮まりまらないのです。なので、あなたの天使病は人を導き悪を砕くのです。しかし、人を導き悪を砕くたびに、体力が減ります。一日たてば、体力は元に戻りますが、一日にできることは限られます。」

「そうなんですか。ありがとうございます。あと、他の棟へは行けるのですか?」

「行けます。血縁者がいる人が多いので行けれるようになりました。」

「そうですか。ありがとうございます。」

そっか、兄にも会えるし、綾にも会える・・・!嘉志に気持ちも伝えられる・・・!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る