第2話 仲本 嘉志

嘉志は結局、学校へ来なかった。

『帰りに具合を見に家に行くことなんてできないし・・・けど、心配だな・・・』

そう思いながら帰り道を友達のあやと一緒に歩く。

と、後ろから嘉志の取り巻きのような女子たちが歩いていく。

「聞いた~?嘉志君のこと~」

「え、なになに?」

「なんか、発症したらしいよ。」

「うっそ~。能力?病気?」

「病気の方だって~」

「何棟~?まさかv棟~?」

「さぁ。わかんない」

「嘉志君がどうなろうと私たちはファンだもんね~」

「ね~」

と、嘉志について話しながら歩いていく。

「嘉志君やっぱり人気あるんだね。」

「ねー。綾って小学校1年生のころから一緒のクラスなんでしょ。前から人気あったの?」

「うん。でも、女子の取り巻きがついたのは中学校からかな。」

「それに、嘉志って病気発症したんだね。だから今日学校にいなかったんだね。」

「・・・もうすぐかな・・・私も・・・・」

「どうしたの綾?」

「ううん。何でもないよ。」

嘉志、病気になったんだ・・・

もう・・・会えないのか・・・・

こんなことになるなら、早めに気持ちを伝えておけばよかった。

嘉志、元気でね。

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