一人の季節Ⅶ
三連休の始めの土曜日————
「おお、今日はいい天気ね。灯真、早く準備しなさい‼」
「ママ、早いよ。まだ、朝の八時半だよ」
「休日の小学生には早いよ……」
「ぐずぐず言わずに早く来るのよ。準備したんだから……」
美咲は、靴を履いてウキウキしながら灯真を待っている。そんな母の姿を見て、灯真は少し面倒くさそうな顔をする。
そして、灯真も靴を履き、リュックサックを背負うと立ち上がった。
今日は雨も上がり、雲が少ない気持ちのいい春の晴れの日だった。
そして、美咲と約束した日でもある。
「ママ……。僕よりも楽しんでいるのはママだよね?」
「え、そうかしら? まあ、そんなのはどうでもいいじゃない。ほら、鍵を閉めるからさっさと外に出るのよ‼」
そう言われて外に出る庭の横に置いてある小さな駐車場には軽自動車が駐車してある。それに二人は乗り、美咲がエンジンをかける。ハンドルを握って運転を始めた。
「さて、公園の前にある駐車場まで車で約十分。行くわよ!」
車はどんどんスピードを上げて走り出す。その間に灯真は目をつぶった。
「着いたわよ。名に眠っているのよ」
目をつぶったと思ったら予想よりも早く車は着いていた。体感は大体三分程だった。それだけ着くのが早かったのだろう。
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