第31話時空間の中で
きゅううっと頭を絞めつける感覚がした。
赤子が、螺旋を描きながら母の産道を通って、産まれ出でてくるように。
ツバサとロージリールの体は、原因不明の圧迫感に襲われていた。
――これが、時空を超えるということ。
初めて精霊のほこらを開いた時とは、別の感覚がした。
気が遠くなりそうな苦しみの中で、チビのリューの泣き声がした。
(ああ、かわいそうに。この子は生まれたばかりなのに)
辛抱できないのも、仕方がない。
そう思って差し伸べた手に、一瞬だけちっちゃなぬくもりが伝わり、またすぐ離れていった……。
チビのリューは、ツバサと一緒に時空を超えることができなかった。
それがわかったのは、ツバサ自身がロージリールとはぐれたことに気がついた時だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます