あかり

ー あかり ー



僕が初めて独立して暮らしたアパート


花園町の美咲ハウス


そして部屋の名前は あかり



君は、その名前だけでうちに来たがり


案内した



1万5千円のボロアパート


名前負け



君は息を殺して 僕の愛撫を楽しんだ


大きな声は隣の部屋に聞こえるから



しかし、隣の部屋の彼女は大きな声


僕らは二人していつも笑った



あかり部屋の明かりを消す頃


君はいつも呟いた



私たちのあかりは永遠なのかな?


僕は言う、


まだ僕らは大学一年


何が起こるかわからないよ



君が泣く


どうやって繋ぎとめればいいの この愛を


僕は言う


多分、愛だけでは何もできない



できるのは


明日のランチを一緒に食べよう


そんな、近未来の小さなことの積み重ね



さて、抱き合うよ


あかりを消すよ



暗い夜は僕は君の 心を照らすあかりになるから


目をつむっていてさえも



朝の優しいお日様は


君のその優しい顔に、素敵なあかりを差すだろう

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