正義のヒーロー、文芸部

作者 水城たんぽぽ

文芸部員がヒーローに!?

  • ★★★ Excellent!!!

文芸部×ヒーローという異色の組み合わせゆえ「どんな話なんだろう」と読み始めたのですが、ヤバイ、カッコいい。とにかく真っ直ぐで、カッコいい。

「ヒーローなんて大嫌いだ!」

と宣言していたのが、本作に登場するヒーローこと、大学一年生の赤尾くん。
それに彼、カッコいい効果音と共に変身したり、空を飛んだり、怪力を発揮したりするわけでもない。

でも、カッコいい。
斜に構えたように見えて、その実どこまでも真っ直ぐな姿勢がひたすらカッコいい。

子供の頃のトラウマゆえ一種のヒーローアレルギーみたいになっている彼ですが、無意識のうちにヒーロー的行動をとって誰かを助けてしまう姿に、読者としては「あーモダモダする!」となるわけです。それに気付きつつもそっと見守る文芸部員たちも良き!

作品として一番すごいのは「ヒーロー」という唯一つのテーマに絞ってお話が進んでいる点です。青春モノといえば得てしてヒロインとの恋愛や熱い友情に主眼が置かれがちですが、本作はどこまでも「ヒーローとは何か」「ヒーローとはどうあるべきか」といった点を軸にお話が進んでいく、非常に珍しいタイプの作品だとお見受けしました。

実際、仲間の文芸部員たちもああだこうだ言いつつもヒーロー的行動をとってしまう。彼らが赤尾くんに対してそうであるように、読者も彼らに対して「君たち、完全にヒーローじゃん!」って突っ込みたくなるわけです。

ああ、私もこんな大学生活が送れたらなあ、なんて思いながら一気に本編を読了してしまいました。これから読む番外編も楽しみ!

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