誰かへの思いは泡のよう。人魚姫は、その姿を泡と変えて消える。その身全てを誰かへの思いに変えてはじける。はじけて無くなる泡は、いつまで人の心に残り続けるだろう?願わくは、泡そのものではなく、泡の描いた景色が記憶の水底に残りますように。
まず、途中で抱く違和感は意味のある物なので全て読んでほしい。きっともう一度読み返したくなります。空と海の境界線が曖昧な様に、曖昧なプロローグとエピローグの境界で物語は展開されていく。世界の呼吸の中で生まれては消える泡沫の様な大切を思慕する物語。