ノスリ
「ノスリ」作・如月芳美さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880896671
◇作者様作品紹介
──その笑顔は何の為?その嘘は誰の為?
いつも笑顔の彼女は街の人気者。
今日も若草色のドレスの裾を翻して貸本屋さんに出かけます。
だけど彼女には『友達』が一人もいません。
ある日彼女の前に現れた『笑わない』少年。
ただ一人の友達となったその少年は……
◇私のレビュー
──本心に気づいた時、それに従うことが出来ますか? 他を全て捨てても。
絵本で見たいと思った。さらりと優しく、しかしずっしり余韻の残るお話。
いつも笑顔で誰からも好かれるノスリさん。
ある日、知らない少年──イトヨくんから「嘘つき」と言われてしまう。
ノスリさんは自分を偽って社会に適応している。
イトヨくんは子供ということもあるが、僅かな嘘が許せない。
それはこんな流れからも分かる。
「もちろんです。さあ、山に帰りましょう」
「ちがう。僕の帰るところは湖なんだ」
「じゃあ、帰るのはやめましょう。山に行きましょう。それならいいでしょう?」
「うん。山に……行く」
ノスリさんが沢山の本に対して言う「私の友達」という言葉は、本当の友達という意味だろう。ただ本は未知の世界を見せてはくれるが、こちらから働きかけることは出来ない。一方的で寂しいものだ。
イトヨくんがノスリさんに言った「友達になってくれる?」という言葉は、嘘偽りのない言葉。社交辞令でも、下心があるわけでもない。真っすぐで、そのままの言葉だ。だからこそ、ノスリさんは心底嬉しかったに違いない。
反対に、街の人に言われた「でもノスリちゃんはこの街の人みんなが友達だろう?」という言葉は皮肉だ。彼女は自分の友達はイトヨくんだけと分かってしまったから。
自分で自分の心を騙してきたことに気づいたノスリさんが選んだことは何だったのか。その結末は是非とも本文で。
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