恋愛
キスをしても一人
「キスをしても一人」作・キタハラ さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886250818
※現在、作品は下げられています。
作者様作品紹介文
書店員の松田はずっとなにかに片想いをしている。
同居人で小説家志望のさかえは付き合う相手といつもうまくいかない。
彼らがルームシェアを初めて一年が過ぎようとしている。
二人が一緒に暮らすのは残り一年。
季節が巡り、もう一度春がやってくるとき、彼らはなにかを掴むことができるのか。
例えば、夢とか、誰かの手とか、そういった、自分ではどうにもならないものを。
あのときキスしておけばよかった。あのときキスしなければよかった。
どの唇も、乾ききっている。
◇
一気読みでした。カテは恋愛。八万文字ほどの作品です。
けっこう途中までジリジリします。まさかの展開に一瞬かたまります(笑
巧いなぁ。良かったです。
私のレビュー文を。
──ほんとうはみんな人生のモラトリアムにいるのだけれど
大人への執行猶予期間。
モラトリアムなんて言葉が流行ったのはいつの頃だったろう。
二人の主人公はアルバイト店員と無職(自称作家と言うべきか)。
男女で同居しているというのに、ただの同居人止まり。
二人ともが手に出来ないものを愛することで、人生の執行猶予を長引かせようとしている。
同じ場所をぐるぐると歩き回ることで、歩いていると錯覚したいのかもしれない。
彼らの背中をど突きに来る者の正体が、この小説の面白さだと思った。
そして変化する時にはもう崖っぷちにいて、後は身体を傾けるだけなのかなとも思える。
ずっと思い続けてきたことが、突然コトバとして脳裏に降ってくるように。
何かに踏み切れずに、立ち止まっている人たちに。
何をやっても上手く行かないと、空回りしてしまってる人たちに。
読んでみて。背中、押されると思います。
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