境界線上の魔法兵器(ソルシエール)

作者 n00ne

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★★★ Excellent!!!

魔女狩り題材とした、魔女たちの物語。
史実を活用しながら、そこにうまく『フィクション』を混ぜることで、壮大な1つの物語として成り立っています。

魔女だと疑われ、殺されそうになった少女ローラは、理不尽に立ち向かう魔女、ウィンキッドに救われる。
そこからローラの運命が変わる。
彼女は魔女と疑われなかったら、普通に生きて、普通の幸せを手に入れただろう。
だけど、彼女は苦しみの世界に足を踏み入れる。
理不尽な現実に立ち向かいながらも、ローラは前を向き、必死に生きていく。
自分と同じ苦しみを、繰り返さないために。

ローラの生きるために必死な姿勢に好感が持てます。
ウィンキッドの理不尽に立ち向かうその姿はカッコいいです。

ただ、この物語の深いところは『人間を殺す魔女』を憎めないところです。
負の連鎖は元々は人間が生み出したもの。
魔女には、『復讐する権利がある』。正当な理由があるのです。

うまく魔女たちの葛藤が描かれており、読むのが止まりません。
是非、一読どうぞ。

★★★ Excellent!!!

17世紀のフランスを舞台に、史実と虚構を巧みに織り交ぜたダークファンタジー小説。
物語は、主人公の少女が魔女として処刑されそうなところを、一人の魔女に救われるところから始まります。
魔女狩りの時代背景については、かなり調べられたとのこと。描写も丁寧で、読んでいてリアルな感じが伝わってきます。
また、タイトルにある「ソルシエール」はフランス語で「魔女」のことを言います。
魔法兵器とは何か? 魔法や魔女に興味のある方はぜひ一度読んでみてください!

★★★ Excellent!!!

 中世ヨーロッパで横行した惨劇、魔女狩り。
 災厄をあぶり出し、滅するための儀式はいつしか暴走し、無実の人に魔女の疑いをかけ、残忍な拷問の末に自白を強要。そして、処刑するという、理不尽極まりない凶行が横行していた。
 少女、ローラもそれに巻き込まれて処刑されようとしていた。
 しかし、その理不尽を認めず、助けに舞い降りた一人の女性がいた。
 魔女、ウィンキッド。彼女は理不尽から人々を救うために暗躍する、正義の魔女だった。彼女に救われたローラは、理不尽の渦の中である決意をする。
 これは、魔女たちが進んできた軌跡であり、これから進む未来である。

 中世ヨーロッパの魔女狩りを典拠して構築された世界観。残虐性と絶望感が渦巻く中で、少女たちの決死の想いが光り輝く。それでも尚、襲い掛かってくる理不尽に彼女たちはどう立ち向かっていくのだろうか。
 今後の、彼女たちの生きざまに注目していきたい。

 

★★ Very Good!!

ヨーロッパで近世まで行われていた異端審問。魔女狩りは有名です。
フランスを舞台とした魔女狩りの犠牲となった少女に端を発する物語。
魔女狩り、魔女の存在をエンタメとして上手く扱い、突き刺さってきます。
話の描き方、展開に無理や飛躍がなく、読みやすいです。
なぜ教会を標的にしないで助けるだけなのか?
という部分について、話が進むにつれ明らかになります。
この点について、助けられた少女との会話の中で伏線を張っておくといいかなと思いました。
この「なぜ」が結構長いこと置いてきぼりにされている点が少し気になったのです。

★★★ Excellent!!!

魔女狩り、というシリアスな史実から物語は始まります。
ただ、筆者によって魔法の扉が設けられて、読者はそこからファンタジー世界に導かれることになります。
ファンタジックな世界や、魔法についての説明はテンポの良い文体によって描かれるので、するすると読むことができます。
また、主人公を助けた魔女が、キャラクターとして魅力的なので、読むのが止まりません。

★★★ Excellent!!!

ホント面白いです。
肌で感じるリアリティと非現実の狭間に落とされたような、錯覚を覚えるローファンタジー。

当時の魔女狩りの凄惨さや空気感、失う悲しみや、拾い上げられ、一人生き残った少女の苦悩。
それを支える魔女の優しさ。すべてが刺さりました。
ダークファンタジー好きな方はぜひ、一読してみてください。