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「ワールドアパート」を聴いて
何千kmも旅してきた黄色い砂が雨と一緒に落ちてきて
僕の車のボンネットに斑（まだら）に積もったよ
僕の頭の中の高層ビルは
薄い夕焼けをバックに寂しげに
だけど確固たる存在感で 聳（そび）え立っていたよ
僕のアパートは雨で溶けそうなのに
透明なしずくが茶色く滲んできているというのに
ヘッドフォンから聞こえる規則正しいリズムは
僕のでたらめな時計の針を整えてくれたよ
僕の頭の中の澄まし顔の君は
帰宅を急ぐ人の波に逆らって
だけど僕の後を追うわけでもなく ただ歩いていたよ
僕の大きな手にはあまりに小さすぎて
君の小さな手には収まりきれずに
ただそこにある一筋の光
欲しいのに飛びつかず
指を噛みながら通り過ぎた
掴むのではなく 突き通されるのを待っていた
体を重ねながら君の心だけは見つからず
僕の虚しさの中にだけに存在したよ
僕の頭の中の摩天楼は
薄っぺらな水彩画のネオンサイン
だけど持ち主不明の鮮やかさで 瞬いていたよ
「ワールドアパート」/ ASIAN KUNG-FU GENERATION
https://www.youtube.com/watch?v=b-riM2kKLXA
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