悪魔さん、いらっしゃい!


もしも、 

「望みを3つかなえてあげる」

と言われたら、

僕は、「1つで結構。“なんでも思い通りになる魔法”をください」

と言うつもりで、ずっと使者を待っている。


その使者が、たとえ、悪魔であっても構わない。

交換条件が“悪魔に魂を売る”でも構わない。

もらった魔法で、それすらも防ごうと思ってるからだ。


しかし、そういう類を扱う物語に、僕のような願いを要求する主人公はいない。

“不老不死”だの“お金持ちになる”だの、物語の悪い結末が見えるような要求ばかりをする。

「馬鹿だなあ」と思う半面、

「悪魔の魔法に勝る魔法はないからかもかな」と、少々、不安に思ったりもする。


しかし、仮に、“悪魔に魂を売った”として、

売った僕の魂はどうなるんだろう?

往々にして、物語の主人公はそれを悩んだあげく、3つのお願いをしてしまい、

売った魂の行き着く先の結果よりも前に、不幸な結末を迎えてしまう。


う~ん。

なら、願いは“2つ”にしよう。


もうひとつの願いは、“無期限のクーリング・オフ”だな。


さあて、悪魔さん。

いつでもいらっしゃい!




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