冬 - 寒芒 -

だいじょうぶ



いつものように2時間おきに目覚めたんだ

まるで熟睡したかのような錯覚もいつもどおり

2回目に目覚めたときさ

1回目とは違って

煙草を吸うために書斎に立つのではなく

しばらく布団の中にいたんだ


すると

気配がするんだ

いや

気配と言うより

音と言ったほうがいいかもしれない


左に寝返りを打って

目を閉じて

耳を澄ます


する

確かに する


真っ暗な空から

真っ暗な地上に

まっすぐに落ちてくる雪の音


0.3mm

0.4mm

0.5mm


何の予告もなく

誰の許可も得ずに

朝 みんなを驚かせようと

静かに

君は降りてきてるんだろ



0.9mm

1.0mm

1.1mm


だけど

残念ながら

僕にはわかったよ


いや

ブラインドを開けて

確かめることなんてしないさ

だいじょうぶ


夜明けまで

あと2時間

それまで

気付かない振り

しててあげるよ


夜明け

まで

眠る

から



だい







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