最強パーティー
……確認と、いきましょうか。見間違いだったかもしれないもんね、うん。
名前 アイリーン
種族 人間
年齢 22
職業 村人(僧侶)
レベル 97
HP 165000
MP 330000
スキル アイテムボックス・千里眼・剣術(中級)・体術(中級)・初級魔法(熟練度10)・炎魔法(熟練度8)・水魔法(熟練度9)・氷魔法(熟練9)・風魔法(熟練度7)・雷魔法(熟練度9)・土魔法(熟練度8)・光魔法(熟練度10)・闇魔法(熟練度7)・回復魔法(熟練度10)
ユニークスキル 魔力倍増・ステータス上限無効化・ジャッジメント・ブラックサンダー・チョコレート・チョコレートの恨み
称号 最強の元僧侶・チョコレート愛好家・睡魔・個性の塊's
見間違いじゃないですねはいごめんなさい!
「ど、どうだったんだ?」
「アリアさん、とりあえずレベルは97です」
「…………は?」
「そして、最大HP165000に対し、MP330000です。全ての属性魔法を扱えて、熟練度は最低で7です」
そう、この時点でおかしい。だって、アリアさんはレベル41でHP5700、MP4200なのだ。値を三倍にしたところで、桁が一つ違う。ドラくんはドラゴンだからあの値なのであって。……多分この、『ステータス上限無効化』のせいだろう。
今回はしっかり鑑定していこうと思います。まずは千里眼。
千里眼……過去、および現在のことについて、望むことをなんでも知ることができる。(未来については削除済み)
ただし、適応されるのは自分のいる場所から半径1000km圏内のみ。
すごいっすね……。なんでもってことは、今こうやって僕が思ってることも分かるのかな?
「分かるよー!」
「おどかさないで!」
……はぁ、よし。次だ、次。
魔力倍増……MPがHPの倍の値になる
これはわかった。次。
ステータス上限無効化……ステータスの上昇限度を消去する。ステータスはレベルに完全比例。
うわぁーお! まだ三つ目だよ!? ヤバイヤバイ。……ちょっとテンションがあがってきてしまった。
ジャッジメント……魔方陣を生成し、そこから閃光を放つことができる。受けた人物へのダメージは故意に調節できる。また、使用可能範囲は最大5000万ヘクタールまで。ただし、自身の知っている範囲内。対象を選択することも可能。
とりあえずめちゃ強いってことは分かりました! あーりがとございまーーーす!!!
で、次はチョコレート系三連発ね。
ブラックサンダー……ブラックサンダーが出てくる。個数は1~5まで。
急に庶民的になった!
チョコレート……パーティー全員のHP、MPを特大回復。状態異常も解除する。
チョコレートスゲーーーーーーー!!!
え、なにこれ!? 最強の回復魔法じゃん! 強い強い!
……よし、最後だ。あの男を撃退した、あれ。
チョコレートの恨み……対象(1~5人まで)に対し、大ダメージ。ダメージ量は相手に対する恨みの深さで決まる。
…………。
これで、全部、だね。
いや、称号も気になりすぎるけどさ。チョコレート愛好家と睡魔はなんか分かるけど、最強の元僧侶と個性の塊'sってなんだ!?
「……お前の表情から、とりあえずヤバイってことだけは伝わってるよ」
「すみません、心に説明するだけの余裕がないです」
「ふぁー?」
ふぁーじゃないよ、あなた一体何者!?
「……というか、そもそも、村人の平均レベルは20。高くても30だ。97は異常値だな」
「まー私、元々村人じゃなかったしねー」
「……称号に、最強の元僧侶ってあるんですけど。あと、個性の塊'sって」
「あのねー、元々僧侶だったんだけどー、やめてー」
「なぜやめた」
「チョコレートの方が偉大だと気がついたから」
アッハイ。
「でー、それからしばらく冒険者しててー、ランクSまでいってー」
「「S?!」」
「国からの依頼まで受けなきゃいけなくなってー、めんどくさくて解散した」
……じ、自由すぎる。確かにAランク以上、特にSは数えるほどしかいないから国が依頼をすることも多々あると聞いた。
しかし、それを理由にやめるなんて…………。っていうかそうか、だからレベル97なのか、へぇー……。
「にしても強くない!? てか個性の塊'sって」
「パーティーの名前ー!」
「なんかすっごい強そう! 色々!」
「そーおー?」
「だってアイリーンさん、これヤバイですって!」
「そんなことないよー? 寝てるときとか、ずっとチョコ食べないでいると十分の一補正かかるからー!」
……チョコレート偉大すぎない?
「……待てよ? そのパーティーの名前、聞いたことがあるぞ」
「マジですか!?」
「あぁ、歴代最強にして、実力は確かだが、自由すぎるパーティーとして有名だった。全員女性なのにも関わらず、ダンジョンをいくつも攻略していたとか。
特にリーダーのジュノンはかつて存在していた魔王にも匹敵する力だと」
「うん! ジュノンは魔王ー!」
「断言した!」
魔王が仲間って……嬉しいような、嬉しくないような……。
「今はみんな好きに過ごしてるよー! 気まぐれで戦ってるー!」
「へ、へぇー……」
「それにしても……キルナンスのやつら、まんまとやったな。アイリーンが全滅させてくれたからよかったものを」
そうだ。アイリーンさんのステータスがヤバすぎて忘れていたけど、僕らが懸念した通り、キルナンスはラミリエを襲った。
ただ、予想外だったのは、アリアさんの情報が入っていたということだ。確かに、アリアさんが冒険者になると言う話は国に広まっているだろうが、にしても場所を突き止めるのが早すぎやしないだろうか?
たった二日でここを突き止められたってことは……。
「……情報でも入ったのかな」
「さぁな。……アイリーン、この街には、他に宿屋はあるのか?」
「うん! いっぱいあるよー!」
となると、ますますだ。
「……ウタ、私は今、たった一人だけ、それを成し得る人物に心当たりがある」
「え?」
「気配を消すことができるやつだ」
「…………!」
まさか……でも、そうなると僕らじゃ探すのは至難の技だ。どうにかして見つけて……。あっ、そうだ!
「アイリーンさん、お願いがあります。聞いてくれますか?」
「えー?」
「今日、チョコレート大量に買ってきます」
「なにすればいいのー?」
…………ちょろい。
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