第44話 過ぎ去りし

 過去が何の役に立つ?

 今がダメなら…過去の全てに意味は在るのだろうか?


 今に繋がる過去なのだ、今がダメなら過去だって…


 過ぎた時に想いを馳せても意味などない。


 癒せぬ傷痕

 消えぬ痛み


 隠せぬ醜さを悍ましさに変えて、僕は生きていく。


 好かれぬよう…憎まれて…疎まれて…


 その容姿に見合う下卑た己を演じるようになったのはいつ?


 拒まれ、弾かれ、それでも群れに残れるように…

 優秀であれ僕よ…せめて優秀であれ


 でなければ…居場所すら無くしてしまうよ。


 優秀であれ、その知識、疎まれようとも…憎まれようとも…優秀であれ。


 また群れから弾かれぬよう…幾度も繰り返さぬように…

 その過去は幾度も、幾度も繰り返す悪夢のように、うなされ続ける病のように…


 過去は憎まれ続ける病のように…呪いのように…

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