第9話 非日常
きっと今日も同じだろうって足を学校のほうへ進めた。
だって、日常はきっと壊れたりしない。壊れてはならない。
世界には規則なんて不条理なものがあってきっとそれがボクを蝕めていくんだ。
だけど、神様はちょっとつまらなかったのだろう。
少しだけ違う、転校生なんていう非日常をぶっこんで世界がどうやって
変わっていくのをみているのだ、きっと。
先生なんていう偽善者と共に、やってきたのは
敵か味方かもわからない、まだ役を与えられていない「転校生」がやってきた。
「初めまして、僕の名前は赤城 零奈です。どうぞ、よろしくおねがいします。」
ズキッ
…?なんとなく頭が痛かった。これが違和感というやつだろうか。
何への?誰への?何処への?わからない、知らない。
非日常への希望?だろうか。いいや、それでいい。
もちろん加害者にも、傍観者にも性別くらいはある。
男子という名称を与えられたもの達は彼女の美貌と笑顔に
心を射抜かれてしまったようだった。
女王も別に嫌っていないようだったから、ターゲットは変更されやしなかった。
まだ、ボクのままだ。
それにしても、女の子なのに僕という一人称はなかなか変わっているものだ。
まるで〝ボク〟みたいだ。
…?
違和感。
空想と虚構とボクら 螺旋 ユエ @yuesyura0123
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