第46話 覚えてた
「コーくんがその問題に携わる事になるとはね~」
俺は今日までの事を一通り話した。
お姉さんは話している最中は特に何も言わず、何か懐かしい物を見ているような優しい顔で聞いている。
ただ打ち上げのギャプ娘先輩失神騒動や、ウニ先輩とドキ先輩との出会い、そして乙女先輩の乙女化の話をした時は何故か複雑な表情で『ウムゥ』と低く唸っていたのだが何故だろう?
俺が話し終えると同時にお姉さんは考え深げにそう溢す。
『その問題』とは恐らく部活紹介の写真の事だろう。
やはりお姉さんはこの話を知っていたのか。
「お姉さんはどう思います? 正直最初はただの思い付きだったんだけど、先輩達の話や亡くなったも創始者の旦那さんの手記を読んで、今は創始者が苦しんでいる事をどうにかしたいと思っているんだ」
俺の言葉にお姉さんは優しげな顔で何度も頷いている。
「この話はね、元々光にぃから聞いてたの。美都乃ちゃんと二人で理事長……あぁ創始者って私が卒業するまで理事長だったのよ。で、その理事長に直訴した。最初はコーくんと同じく思い付だったらしいわ。何で部活紹介がこんなに無愛想なんだってね。変えるように申請しても却下される。それでおかしいと思い調べたらしいの」
そりゃそうか。
自分が生まれる前に死んだおじいさんの話だから仕方無い。
それに理想や理念については聞いていたかもしれないけど、とても厳しい人との事だし、そんな人が自分の弱みを他者に語るとは思えないな。
「理事長本人に聞いても取り付く島も無くて、その年は諦めて一年かけて真相を探るべく情報収集をしたらしいの。当時の学園長や古くから居た用務員さんに聞き込みしたり資料を調べたりしてね。ついにコーくんが読んだって言う手記を見つけて、そこに書かれていた内容と挟まっていた初代の部活紹介の写真を見て、遺言に囚われているのを知ったのよ。まぁここら辺は後から美都乃ちゃんに聞いたわ」
だよね! 親父が生徒会長の頃ってお姉さん小学校一年ぐらいだからね。
逆にここまで詳しく小学生に詳細を話す親父ってなんなの? って思ってたわ。
お姉さんが知っている親父の学生時代情報ってどうも
それにギャプ娘先輩や乙女先輩が事情に詳しかったのも
「そして次の年に理事長の言葉に対する様々な角度からの反論をシミュレートして、それに対する対応を纏め上げて準備万端で乗り込んだんだけど、却ってそれが逆鱗に触れて大変だったそうよ」
う~ん改めて聞くとさすが噂に聞く親父と
一年かけての入念な調査と事前準備、それなのに惨敗か。
それに引き換え俺達はと言うと部活に情熱の無いっぽい三人が強硬手段の特攻ってのが涙を誘う。
まぁギャプ娘先輩も言っていたけど、言葉を形にしていなかったのが今までの敗因と言うのも一理有るし俺に出来るのは創始者の心を動かす素晴らしい物を作るだけだ。
「でもね、親の欲目じゃないけど、さっきのコーくんの話を聞くと今回はいけそうな気がするの」
親じゃないですけどね。
親じゃないけど親の欲目だろうそれ。
「どうして? はっきり言って今回策らしい策なんてないよ?」
俺の言葉にお姉さんはにっこりと微笑む。
「私もね、美都乃ちゃんの話を聞いてやってみようと当時生徒会に掛け合ったのよ。それで準備を進めてたんだけど、その最中に美都乃ちゃんの結婚と退職の騒ぎが有ってね。協力は得られなくなったとは言え、引くのも癪じゃない? でね、無理矢理結婚させられた美都乃ちゃんの弔い合戦のつもりで理事長に一矢報いてやろうと、光にぃが残してた当時の資料を参考に生徒会長だった子と色々検討したんだけど、最終的に私達では無理! と判断して止めたのよ」
お姉さんの顔が少し悲しげに歪む。
「え? お姉さんもやろうとしてたの? 知らなかった……」
なんと! 親父だけじゃなくお姉さんも当事者だったのか!
親の因果が子に報いって奴か……。
あっお姉さんは親じゃないけどね。
けど、なんで無理だったのだろうか?
親父の事だ、その資料は自分の失敗を更に研究してより完成度を高め、いつかやり遂げてくれる後輩の為に残しておいた物だろう。
お姉さんは無茶苦茶だけど馬鹿じゃない。なのに、なんで親父の研究結果を以ってしても駄目だったのか?
「そうよ! 本当親子って似るものね。フフフ」
「その返し、もう達人の域だよね、お姉さん。で? なんで無理だと思ったの?」
少しの隙も見逃さない親押し芸に俺は呆れながらに諦めた真相について尋ねた。
「まぁ、その資料の最終ページにもね、光にぃの文字で『この方法では理事長の心を動かすのは無理だ』と書かれてたのよ。私達も色々と検討したんだけど、理事長相手に高校生如きがどんな策を弄しても通用しないって結論に至ってね。下手すると美都乃ちゃんに迷惑が掛かるからって止めたのよ。まぁそこで諦めたのも後ろめたくてね。実はこれが美都乃ちゃんと会わなくなった最大の理由なの」
親父が自分の理論が無理と諦めたのか。
しかもお姉さんまで同じ結論とは。
面倒見が良くて負けず嫌いのお姉さんの事だ。
さぞかし諦めるのは苦渋の決断だったのかが分かる。
俺がこの件に携わらなかったら、そのまま胸に仕舞っておきたかったのだろう。
最後の言葉はうっすらと目に涙が浮かんでいた。
「そこまでしてダメだったのに、何で今回大丈夫って言えるんだよ」
むしろ状況は悪化してると思うんだけど。
創始者の年齢を考えると最後のチャンスなのは分かるんだけど、先輩達は俺が持って帰った部活写真やインタビューに驚いていた。
要するに準備なんか出来ていなかったと言うわけだ。
そうなるとやはりギャプ娘先輩は兎も角、策士の乙女先輩や桃やん先輩まで驚いていたのが分からない。
まるで最初から失敗するのが分かっていて準備なんかしていなかったとしか思えない。
「そりゃあ、今回はコーくんが居るからね」
「え? なんで?」
なぜ俺が居るといけると思うのだろう。
あまりの事に俺はその次の言葉を失った。
そう言えば萱嶋先輩も似たような事を言っていたか。
買被り過ぎだと思う。
そう思うと笑いが込上げて来て、失った言葉も戻ってきた。
「それは本当に親の欲目過ぎるよ。俺が居るくらいで何とかなるんだったら親父の代で解決してるって」
俺は笑いと共に戻ってきた言葉を吐き出した。
お姉さんは俺の言葉をやさしく受け止めていたが、目を瞑り何度か頷いたあと口を開いた。
「コーくんは今自分がどんな立場に居るか気付いていないのね。引越しの所為かしら? でも引越しのお陰なのかな? 気付いて無くても、その場所に居るんだから自信を持って突っ走ったら良いわ。そして周りの皆と同じように美都乃ちゃんのお婆さんを助けてあげて」
周りを助けている?
どちらかと言うと場をかき混ぜて、その人達を泣かせて、今までの様には居られなくしている破壊者だ。
「皆がそんな思わせ振りな期待の言葉を投げかけてくるけど、俺にはちんぷんかんぷんだよ」
思わず零れた俺の愚痴にお姉さんが笑い出した。
「今はそれで良いのよコーくん。周りの皆はきちんと分かってくれてるわ」
お姉さんはそう言うと手を伸ばして俺の頭を優しく撫でてきた。
ダメだなぁ~、何か本当にお母さんの様に感じてきたよ。
さっきも思わず親の欲目って言っちゃったし。
俺は心の中で込上げてくる感情が目頭に来る前にわざとおどけてそう誤魔化す。
・・・・・・。
あれ? 手がもう一本当たっている
その手の方を見るとお姉さんの顔を真似て俺の頭を撫でている涼子さんが居た。
「涼子さん・・・・・・何してるんですか?」
「いや、何か凄くイイ物見せてくれたんで私からもイイコイイコしておこうかなぁ~っと」
あぁ、普通こんな事有りませんもんね。
俺も今日まで知りませんでしたよ、こんな世界。
その後学校の裏情報を色々と教えてもらった。
まさかあんな所にそんなものが隠されていたとは! あの扉をくぐるとあそこに通じているだと? 等々の有益な情報を聞く事が出来て大変満足だ。
「それにしてもこの短期間で周りの皆もコーくんの事を本当に良く分かってるのね。明日にでも会って話して見たいわ」
「良く分かっているかどうかは知らないけど、会いたがってる人達はいっぱい居るので会ってやってよ。空手部じゃあ凄い神格化されてたけど、 当時何したの? それにお姉さんの後輩で当時生徒会長だった人が俺の担任なんだよ。凄く会いたがっていたよ」
「え? そうなの? 先生してるのは聞いてたけど、コーくんの担任してるなんて運命って面白い物ね。そっかぁ~懐かしいなぁ~会ってみようかなぁ~。空手部はどうでも良いけど」
冷たいよお姉さん。
あれだけ空手部の先輩達は慕っているのに。
本当にあんた当時何したんだよ。
あれこれと話している内にすっかり夜も更けてそろそろお開きとなった。
「あたしそろそろ帰るね~。ごはんご馳走様~おやすみなさ~い」
「私も帰るわ。コーくん生徒会頑張ってね、ママはいつでも応援してるから」
「はいはい、今日は色々とありがとう。それじゃあお休み~」
本当に何処にでもママを仕込んでくるよなお姉さんて。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
次の日、いつもの時間、そろそろあちこちと見慣れだした通学路を一人歩く。
周りを見るとこの時間は大体同じ顔が歩いている。
ふとこれが俺の日常風景になって行くのかと少し愛おしく感じた。
この十年長くても一年以上一つの所に留まった事は無く、突然決まる親父の転勤に日々恐怖を感じていて正直心休まる場所と言う物を作るのが怖かった。
作っても作っても直ぐ俺の手から零れ落ちていく大好きな場所、大好きな物、大好きな人達。
そう言えば乙女先輩が昨日言っていたな。
器から好意が零れ落ちるか……、確かにそうかもしれない。
必要以上の好意を受けるとその人から離れなくなる。
過去何度もそれで涙してきたんだ。
だから俺はいつからか心に蓋をしたんだと思う。
これは桃やん先輩が言っていたか。
……心の扉。
確かに言いえて妙だな。
今までぼんやりとしていた心の中の言いようの無い塊が、輪郭を現して急速にその姿を形作る。
桃やん先輩は強固な鍵の扉と言っていた。
それは自分でも分かっていたんだ。
そうだ、その鍵は自分でかけたんだから。
だけど桃やん先輩は開けるのは簡単と乙女先輩に言っていたようだ。
そうなのだろうか?
この扉の鍵はいつかどこかに落として消えた。
俺は今までどれだけの人から、どれだけの量の俺を思って、そして注いでくれた好意を溢れさせ無駄にさせて来たのだろうか。
足元に零れて黒い染みとなった可哀想な好意達の事を思うと、一つまた一つと新たな錠前が増えていき、その鍵は次に注いでくれた好意と共に器から零れ落ちて消えてしまう。
俺には目の前にある無数の錠前達の開け方がわからない。
もう二度と開けられないんじゃないかとその扉に触る事も出来ない自分が居る。
本当に簡単に開けられるのだろうか?
生徒会の皆、いやそれだけじゃない幼馴染の親友にクラスメート、それに俺を応援してくれる先輩達に学園長、校長、そして理事長もなのか?
この短い間で本当に大切な人達や場所が沢山出来た。
色々と大変な事続きだけど、どれも新鮮でこれだけ心が弾む日々はいつ以来なのだろうか。
でも本当にすまないと思う。
俺に好意を注いでくれているのに、それに俺はきちんと応えられているのか分からない。
だからこれからの三年間零れ落ちる量以上の好意を皆に返していこう。
少なくとも三年間は俺の日常となるこの景色にそっと誓った。
ふと通学路の横の川……というより用水路だよな。
コンクリートで四角く囲われたその水の流れに目を向ける。
入学式の日にここで宮之阪と運命の再会をした。
いやそれまでにも何回か会ってたのだが、すれ違い続きで再会とは言えないな。
運命では有るのだがかなり最悪な出会い方……逆三角形のアレを思い出して少しドキドキする。
い、いやそれは置いておいて、あれから暫く冷たかったっけ。
でも逆にそれが良かったのかもしれない。
すれ違った時の態度から、どうも俺の事を気付いていたのだと思うけど、俺が知らずに残していった言葉の所為か俺に話しかけようともしなかった。
でも、あのとんでもない切っ掛けのお陰で、お互いを意識して少しだけだけど昔の様に話せる事が出来るようになったと思う。
彼女は俺が心に鍵をかける前の俺を知っている。
こーいちや山元そうなんだが一緒に過ごした時間では彼女に敵わない。
10年振りに会った俺は彼女からはどのように見えているのだろうか?
「おはよう、え、あの、こ、こーちゃん」
背後から最近毎朝恒例となりつつある声がする。
え~とこの声は山元じゃないから俺で良いんだよな。
そしてそれ以外で俺をこう呼ぶのは宮之阪。
一昨日からまたそう呼んでくれるようになった。
まだ生徒会室以外では少し恥ずかしそうだけどね。
なんか考えていた時に現れるって、タイミングが良いんだか悪いんだか。
俺も少し気恥しいな。
「おはよう、宮之阪。 そう言えば昨日色々と有り過ぎて聞けなかったけど生徒会大丈夫か? いじめられたりしてないか?」
みゃーちゃんはまだ俺の口からはさすがに言えないや。
宮之阪は俺を心配して生徒会まで来た為に先輩達の思惑に巻き込んでしまった。
言ってしまえば俺の所為な訳だ。
それなのに昨日はテンパって全く気にしてあげれられてなかった。
八幡に付いてる乙女先輩程ではないが、桃やん先輩もなかなかの曲者だ。
何かとんでもない事言われていないだろうか?
「あたしは大丈夫よ。結構楽しいし。もしかして気にしてくれてたの? ……やっぱりこーちゃんって優しいね」
その言葉にドキリとする。
昔の俺は優しかったのか?
周りの環境に合す為、自分の居場所を作る為、自分を押し殺した事も何度も有る。
いつしか自分の心でさえ俯瞰で眺めていた俺が居た。
宮之阪の言う通り俺は俺のままで居られていたのだろうか?
「どうしたのこーちゃん? なんか難しい顔をしてるよ?」
そのあどけない口調にあの頃の
成長して少女から大人になる最中の宮之阪の顔はとても素敵に見えた。
何処からか微かに鍵の開く音が一つ聞こえた気がしたが気のせいだろう。
「な、何でもないよ。ちょっとこの数日で色々と有り過ぎてね」
顔よ赤くなるな~赤くなるな~、心の中でそう念じる。
そのお陰かなんとか宮之阪は俺の心の動揺に気付いていないようだ。
「そうね~入学早々びっくりよ。私もまさか生徒会に参加するとは思ってなかったし」
宮之阪は笑いながらそう言った。
ごめんね、俺の所為だよね。
「でも今凄く楽しいよ」
続けてそう言う宮之阪の顔はとても優しく俺を見つめてくる。
さすがにこの不意打ちに、心の中で念じただけでは顔が赤くなるのを抑えられそうにない。
何か話を逸らす話題は無いか~?
あっそう言えばあの時拾った良く分からない動物のマスコット。
あれって確か……?
「なぁ宮之阪? 入学式に拾った人形ってもしかしてだけど、あれって俺が引っ越す時にあげたやつ?」
言って後悔。
違ったら自意識過剰過ぎて気持ち悪がられるかも。
でも似てるんだよなぁ~、当時自分でも良く分からない動物をモチーフにした布製のマスコット。
何故か俺は大好きで宝物にしてたんだ。
でも、引っ越す時に泣きじゃくる宮之阪にプレゼントしたんだよ。
う~ん宮之阪の顔を見るのが怖い。
気持ち悪いって顔をされていたらどうしよう。
「こーちゃん? 覚えてたの?……」
あぁ間違ってなかったか良かった、と一安心して宮之阪の顔を見る。
……え?
その顔は驚きに満ちており、その目には涙が浮かんでいる。
なんで? 俺泣かすような事した?
そんなに昔の人形持っているのがバレるの嫌だった?
それとも俺のあげた奴ってのが嫌なの?
「ご、ごめん宮之阪、変な事言って!」
なんとか泣き止んでくれるようにと必死でなだめる。
宮之阪は俯いたまま首を振るが、なかなか泣き止んでくれない。
周りを見ると同じ制服を着ている通学者達が怪訝な顔で俺たちを見ている。
あぁ~また悪目立ちしちゃってるよ。
このまま放って逃げる選択肢などあろう筈も無く、かと言ってドキ先輩の様に小脇に抱えて走る訳にもいかず途方に暮れる。
「あ~宮之阪さんを泣かしてる~」
その時山元の声が聞こえて来た。
知り合いに見られた!
しかもクラスメート!
同じ幼馴染の山元に!
思わず走馬燈を見そうな程のショックを受ける。
「い、いやこれ、違うからそんなんじゃないから」
いや、そんなんだよなこれ。
朝から女の子を泣かすなんて最悪だわ。
俺の決意とかがガラガラと音を立てて崩れそうになる。
「ち、違うの! 山元さんそうじゃないの! ちょっと嬉しい事が有って!」
俺が色々精神的に死にそうになっていると、宮之阪は何故か山元の言葉を嬉しそうに否定した。
嬉しい事? 今の流れで泣くようなうれしい事って有ったのだろうか?
「え? 宮之阪どういう事?」
宮之阪の言葉に事情が分かったと言う顔をしている山元の態度が分からず、宮之阪に尋ねる。
しかし宮之阪は涙を拭きながら笑うだけで答えてくれない。
周りから、と言うか男子生徒から何故か『ケッ』とか『チッ』とか舌打ちをされる。
「山元~、何なのこれ? 教えてくれ」
何も言ってくれない宮之阪の代わりに山元に助けを求める。
「私からは何も言えないわね」
やれやれと言う顔をしながらそう言うだけでやはり何も教えてくれない。
なんなんだよこれ?
「コーイチ何してるんだよ?」
あぁこーいち来てくれたか。
「いっちゃんもみんなも何でそんなとこに突っ立てるん?」
少し遅れて八幡も合流する。
これでいつものメンバー全員集合だな。
う~んなんて説明しようか。
「何でもないわ! ほら皆早く行かないと遅刻するわよ!」
宮之阪はそう言うと突然学園に向かって走り出す。
まだ大丈夫だと思うんだけど?
そう思いながらも俺達は宮之阪の後を追いかけた。
息を切らせながら坂を笑い合いながら駆け上がる俺達。
春真っ盛りな4月の通学風景の中、俺達はそう……。
確かに青春していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます