明日も同じ空を見てる。

作者 羽鳥さぁら

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★★★ Excellent!!!

最北端の空を見上げて、何処にいるとも知れない彼の空へ馳せるユミちゃんに、切なくも心穏やかな時を戴けました。
一也のファインダーで切り取られた一瞬が語るその先、ユミちゃんと共にお待ちしたいです。

哀しさを孕み棘を纏いながらも、その優しさはとても色濃いのだなと。
三人、四人の見ている景色の切り取り方が繊細です。

★★★ Excellent!!!

辛い運命に逢い、今もほぼひとりぼっちで暮らす少女、ユミ。
ユミの兄の友人であり、ユミのことをいつも気にかける、一也。

二人はいつしか、なんの決めごともなくごく自然に交流を始めます。

この物語の最大の読みどころは、一也から見た「ユミ」の像の変化です。
ユミはかわいらしい少女ですし、薄幸ということもあいまって、一也はユミを護ろうと強く思います。
この弱い少女を、護ってやらなければ、と。

だけど違うのです。
ユミの中にもあった。
ぴかぴかとした青さの中に揺れる思いは、ユミの中にもたしかに存在していたのです。

その種火を知った時、一也はどう思うか。
どういう行動に出ようとするか。

ぜひ、一人の少女に対する視点と観点の変化を楽しみつつ、あなたも一也になっていただければと思います。

朧なる恋に、輪郭が生じる――。

★★★ Excellent!!!

 身内を不幸な事故で亡くしてしまった少年の妹ユミと、その親友一也の心の交流をテーマにした作品です。

 親しい人が他界してしまったことにおける、少年たちの苦悩がしっかりと描かれています。彼らがお互いに苦悩を語り合いながらも、未来へ向かって歩み続ける場面が印象的です。
 また作中では、まだ携帯電話が普及していない世界観の中でお話が進みます。フィルム写真というレトロな雰囲気を感じさせる媒体が、作品をよりリアリティある物語へと演出しています。

 短編小説ながらも人の死に真正面から向き合った、少年少女たちの心の物語――あなたも一緒に読んでみませんか?