第60話 イベント終了と夏休みの宿題
は! ここは!
気づいたら噴水広場にいた。……いや元々いたんだけどね。
確か俺はナツメ達の攻撃を受けそうになって慌てて【参ノ太刀・流水】を使ったんだったよな。
ナツメのブレスにメイスを投げつけ、ラルミィ(クラーケン)からの攻撃を回し蹴りでそらして、フェルスの攻撃を刀で受け流したんだったな。その後は……良く分からんな。
周りを見ると他のプレイヤーもいる。足下にはナツメ達もいた。
そしてぶっ倒れてるコウ。
これはあれか、元の場所に戻されたのか。つまり8時間たったって事か。
なるほど、時間切れ間際だったんだ。そりゃみんな最大威力の一撃を放つわけだ。
俺は時計なんて見る暇無かったからな。
従魔達は時間なんて見なくても分かっていたのか、それとも時間の分かる機能でもあったのか? と言うか俺はどうなったんだ? やられたのか? やられる前に時間が過ぎたのか?
と言うかここに直接移動させる前にどっか別の所に転移させてワンクッションおいて欲しかったな。
「皆さん、お疲れ様だぜ! 改めて自己紹介するぞ、GMの山田だぜ!」
「おなじくGMの高梨です」
「只今ポイントの集計中だぜ。ちなみにポイントと順位は公式ホームページからも確認出来るようにしておくのでそちらで確認してくれても良いぜ!」
「ポイントとの集計が完了した様ですね。参加した人には自分のポイント、順位が分かるようになります。手に入れられる景品のリストを渡しておきますので景品を選んで受け取ってください。ちなみに期限は2週間です。2週間以内に受け取っていない場合は景品が受け取れないので注意してください」
取りあえずごった返してる噴水広場から移動することにした。
えっと……何か知らないアイコンがあるな。これかな?
アイコンをタップするとナツメ、ラルミィ、フェルス、そして俺の順位が出た。出来れば一番上は俺の順位にして欲しかったな。
トップ10を表示出来るようになっていたので開いてみた。
1位 リューヤ 2,246,894 pt
2位 ナツメ 2,232,025 pt
3位 アルミ 1,947,381 pt
4位 コウ 1,944,983 pt
5位 ラルミィ 1,893,872 pt
6位 フェルス 1,891,920 pt
7位 ルカ 1,500,275 pt
8位 ユウキ 1,483,098 pt
9位 ミキ 1,348,295 pt
10位 カイル 1,010,831 pt
お、1位だ。って事は最後のあれはやられていない判定だったのか。ナツメとかなり僅差だな。まあ【龍化】してからの被害者がかなり出たからな。
レアモンスターを狩ってなかったら負けてたかもな。ラルミィとフェルスも入っているしコウ、ルカ、ミキもいる……あと、一応アルミも。
ポイントが倍以上になってるのは結構プレイヤーを倒したからだろうな。
ユウキとカイルってのは途中でランキングを見た時にもいたな。
トップ10に入るのだ、きっと強いのだろうな。是非とも戦ってみたいものだ。
そういえば景品ってのは何だろう? リストってこれか。
そこには色々な景品が並べられていて、景品の横にはポイントが書いてあった。なるほど、手に入れたポイントを使って景品と交換するのか。
ナツメ用・ラルミィ用・フェルス用とそろっている。後で欲しい物を聞いておくとしよう。
『運営からお知らせが届きました』
お知らせ? 前回はイベント告知だったが今度は何だ?
『今回のイベント1位おめでとうございます
つきましては今回のイベントでの映像を
ゲームのPVやCMに使ってもよろしいでしょうか?』
PVやCMか、まあ既に何度か動画を公開してるし今更な気がするな。
YESと回答しておく。
さて宿題でもやっておくか。そういえば宿題のデータってダウンロード出来るのかな? 出来れば4倍の速さで出来るんだけどな。
◇
皆さんは夏休みの宿題を溜めるタイプですか? 最初に終わらせるタイプですか? 計画を立ててコツコツやるタイプですか?
俺は最初のほう……7月には終わらせることが多いです。小学校一年生の時に溜めてしまって、最終日に頑張ってやりきった時からと言うもの、溜めることはしなくなりました。
俺が最初に終わらせるようになった理由は他にもあるのだが。
でも今年はありがたいことに4倍の速さで終わりそうだな。宿題データ、ダウンロード出来て良かった。
大体いつも一日一教科で五日掛かるのだが今年は二日でおつりが来るな。
現在ギルド内の個室を借りて宿題の最中だ。もうちょいで終わりそうだな、なんて思っているとメッセージがとどいた。ルカからか、今年も来たな。俺は
◇
「リュー兄、来たよー」
「ルカ、来たk……後ろの人は?」
ルカの後ろには見覚えのない人がいた……5人ほど。
「あ、そうそう、紹介するね。この人達はあたしのパーティメンバー。βの頃から一緒にやってたんだ」
どうやらルカのパーティメンバーは全員女の子のようだ。同い年くらいの人だな。いや身長は分からないから顔で判断するしかないんだけど。
「紹介するね。左からシノブ・ユキ・アカネ・ヒカリ・ユカリ・シャーロットだよ」
詳しく聞くとシノブさんは猫人族で職業は盗賊、ユキさんは妖精族で神官、アカネさんはエルフ族で魔法使い、ヒカリさんと双子のユカリさんはドワーフの騎士、シャーロットさんは狼人族で剣士だそうだ。
パーティーのバランスは中々良いようだ。
「で、パーティーメンバーを連れてきた理由は紹介のためだけじゃないよな」
「うん、出来ればみんなの分もお願いしたいなーって……ダメ?」
「はぁ…分かった。全員見てあげるから宿題始めな」
そう、俺が早く宿題を終わらせる理由はルカに毎年教えを請われるからだ。
今年は6人分……いや7人分見ることになるのか。
「リューヤ、いる?」
「おうミキ、来たn……はぁ」
ルカも同じように毎年教えを請われる。毎年ミキとルカに教えを請われるので一緒に見ているのだが、ミキの後ろにいるのは……うん分かってる。良いよ、こうなったら全員見てやるよ。
俺は結局、合計12人……2パーティの宿題を見ることになった。
あの、すいません。俺今高2なんですけど……高3の宿題は流石に……はい、善処します。
コウ? アイツが夏休みの宿題をこの時期にするわけ無いだろ。
こうして俺の夏休みの内、一週間(ゲーム内)は順調に消化された。
もちろんただ勉強を見ていたわけではない。
コツコツとスキルなども上げていた。
【料理】スキルは怒濤のレベルアップを遂げ、今はなんと20レベルに達している。ナツメ達やルカ達にねだられまくった成果だな。
もちろんギルド内では作っていない。あそこだとスキル使えないし。ちゃんと向かいの生産所に行ったよ。
戦闘スキル? うん上がったよ……ナツメ達はね。
外に出る暇なんて無かったからな。料理作って宿題見て武器作って宿題見て料理作ってみんなからねだられて、振る舞って宿題見てって感じでほとんど室内にいたからな。
そして運営からアップデートの告知が全プレイヤーに送られた。
「アップデートってどんなことするんだ?」
昼飯に作ったそうめんをすすりながら春香に聞いた。
「うーん、多分だけどスキルの追加とか詳細変更とか、他にも新しいクエストの追加とか、後は2陣が来るからそれに合わせて何かイベントでも起こすんじゃないかな? 詳細とかもまたその内告知されると思うよ」
イベントってこの前やったばっかだろ、そんなに頻繁に出来るのか? まあ、予想の範疇だから何とも言えないか。
取りあえずログイン。
そろそろ俺も三層に行った方が良いよな。
と言っても二層は一層とは違いかなり広いらしく、攻略が進んでいないらしい。
今攻略されているのは東の草原と北の洞窟のみだ。
アップデート中はゲームにログイン出来ないらしいから、今のうちにレベルでも上げておきたいな。
まあレベルはナツメ達のおかげでそれなりに上がっている。そういえばステータスポイント振ってなかったな。振っとこう。
にしてもフェルスを【召喚】してからホントにレベルが上がり辛くなった。
まあ狩り場が二層だからな。経験値の入り具合も悪いし速く三層に行くことにしよう。
今日は東の第二層ボスを倒そう。
にしても広いな。ボスの情報以外は調べてないからな。
これは今日中に終わらないかも知れないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます