《◎夏休み[2019]特別企画SS◎ ~映画・道連れフロンティア 撮影メイキング(前編)~ 》

※注意

このSSは本編とは一切関係のない、おまけ企画SSです。


 今回のSSは”もしも、道連れフロンティアが[アクション映画]だったら”&”もしもラチェット達が俳優だったら”なんて、夏の映画を見ながら妄想で作っちゃった物語です。繰り返し言いますが、本編の今後の流れとは一切無関係およびキャラ崩壊全開ですので、興味のない方はスキップしてください♨


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<撮影時刻 05:00 某所>

道連れフロンティアのメインを務める役者たちがこの地へ集結する。


「よろしくお願いしまーす……」

 最初にやってきたのは主役のラチェットだ。

 作中では不器用で人付き合いが下手。だけど面倒見の良い心優しい主人公を演じる彼。まさしく、配役としてはピッタリだったのか……普段の彼は、引っ込み思案で会話ベタな一面が目立っている。

「どうした? 眠いか?」

「はい、少し」

 撮影監督から背中を叩かれるラチェット。何せ、撮影はこんな早い時間から始まるのだ。期待の新星とは言われているものの、まだ歴は浅い彼だ。慣れない撮影ペースにちょっとばかし戸惑っているようにも見える。

 だが、戸惑っているのはこういったコミュニケーションでも目立つようだ。監督からの気遣いに対して、どう接したたらいいのかと照れ笑いをしながら返答した。


「おはようございまーす!」


 続いてやってきたのは、道連れフロンティアにてヒロインを演じるコーテナだ。

 辛い運命を背負いながらも無垢な笑顔を振りまくその姿。天真爛漫、純真で明るい配役を演じる彼女であるが、普段もこのように元気いっぱい。朝っぱらからの撮影だというのにテンションが非常に高い。


 普段はアイドル活動をしている彼女であるが、その演技力には数多くのメディアから評価を得られている。


「あっ、ラチェット君、おはよう!」

「お、おはようございます……」

「相変わらず固いなぁ~!」

「ふふっ」


 主役とヒロインということもあって撮影タイミングは一緒であることが多い。そのたびにコーテナの絡みから撮影は始まるのである。


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 俳優・ラチェットへの質問。


 Q.主人公について


「そうですね。普段はクールでドライで……だけど格好よくって、決めるところはしっかりと決める。身近なヒーローって感じで、ちょっと憧れちゃいますね」


Q.自分と似通っているところは?


「人付き合いが苦手って、ところですかね。僕も普段はあまり人と喋らないので……(笑)」


Q.コーテナさんとはよくお喋りしているみたいですが


「はい、僕が一人で携帯とか台本を見ていると、ちょっかいをかけてきてくれるんです。撮影でNG出しちゃったときも『大丈夫大丈夫!』って励ましてくれたり、同期の俳優さんへの悪戯に誘ってくれたり、いつもお世話になってます」


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 俳優・コーテナへの質問


 Q.ヒロインについて

「辛い思いをしても常に前向きで! とっても明るい女の子です! こっちも元気を貰っちゃうくらいで『良い子だねぇ~!』って頬ずりしちゃいたいくらいです!」


Q.自分と似通っているところは?

「うーん、ポジティブなところは似てると思いますが……あの子ほど、思い切った前向き思考はなかなか出来ないなぁって。ライブとかで失敗したときはよく凹んじゃうので……」


Q.主人公、そして俳優のラチェット君のことをどう思いますか?

「主人公は何となくお兄ちゃん感がありますけど、ラチェット君は弟みたいなところがありますよね(笑)。感情表現が本当に凹凸激しい役柄を演じる彼ですが、普段は本当に大人しくって!」


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 今日の分の撮影が始まってから数時間後。時刻は昼。

 別の撮影が始まり、そこへメインキャストとなる彼らが登壇する。


「はい、カット!」

「チェックチェック!」


 監督のカットの言葉と共に、メインキャストである彼が愉快に映像のチェックへと向かう。


 主人公達のサポートをする何でも屋を演じるスカルだ。

 比較的、メインキャストにはキャリアの短い新人俳優達が集う中、一人だけ歴も長いベテランである彼。


「いい感じじゃないかな?」

「うーん……もうちょい、間抜けでもいいんじゃないですかね?」

「どんな感じで?」

「『うっひゃぁあ~、たぁすけてくれぇ~』みたいな感じとか」


 オーバーなリアクションにオーバーな顔芸。撮影スタッフは一斉に笑いの渦に巻き込まれる。

 普段からスタッフへの気遣い気配りを良しとする彼。ラチェットやコーテナからも、こうした陽気な一面を慕っているとのことだそうだ。


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 ベテラン俳優・スカルへの質問


Q.何でも屋を演じてみて

「はい、ここ最近はクールな悪役とか、ドスの効いた極道とか、シリアスなヒールを演じる事が多かったのですが、今回のように陽気な役を演じたのは珍しいと言われそうですね。デビューした時には、こういった役柄を演じてみたいと思いましたので夢がかなって嬉しい限りです(笑)」


Q.何でも屋と似通うところは?

「どうだろう!? 周りはスッゴイ雰囲気似てるって言ってくれるんだけど、そういった自覚がなくって(笑)。嬉しい半分、普段の自分って結構間抜けだったりするのかなぁって落ち込んだりもしちゃいますよね(笑)」


Q.主人公とヒロインを演じている二人について

「頑張ってますよ~。ラチェット君はね、スイッチが入ると別人になっちゃうんですよ。喋りづらくなっちゃいますね!」(冗談のおつもりだそうですw)

「コーテナちゃんはねぇ。アイドルのお仕事も忙しいのにあんなに元気で、凄いですよぉ。自分なんてすっかりジジィでしてねぇ、派手なシーンをやるたびに腰が痛い痛い……こう言うと『いや、まだ若いやないかーい!』ってツッコんでくれたりね!」


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 道連れフロンティアを彩るメインキャストはもう一人。


「はい、わかりました……もっと、オーバーでもいいですかね?」


 主人公達について来る謎の少女を演じる”アタリス”だ。

 現役中学生でありながら受賞経験ありの大型新人。与えられた役柄は”幼い姿でありながらも登場人物の中では一線を置いた大人っぽい少女”という難しい役柄。それを見事に演じてみせている彼女は、こうも真剣だ。


「スカートとか、こう……めくってみたりとかですか?」


「なんか、いやらしいドラマの撮影みたいだね!」


「何言ってるんですか!(笑)」


 こうして、真面目なモードに入る彼女へ茶々を入れるのがスカルだ。この被害にあってるのはラチェットにコーテナも同様であり、いっつも会場をにぎわせている。


 年の差は20近く離れている事もあって、親子みたいな風景である。


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 子役・アタリスへの質問


Q.謎の少女について

「とにかくミステリアスなレディです。見た目は幼いのにセクシーでお姉さんで……とにかく、スッゴイ人なんです! とにかく、憧れます!」


「とにかくしか言ってないね(笑)」←インタビューに割り込んできたスカルさん

「ww」


Q.似通っているところは?

「憧れって言っちゃいましたからねぇ。ない、んじゃないでしょうかぁ……ポーカーフェイスには自信ありますけど!」


Q.何でも屋役のスカルについて

「親戚の”おじさん”ですね!」

「おじさんって言われちゃったよ(笑)」

「じゃあ、オヤジギャグとかをやめてください! ブチまけた話、寒いですよ~」

「キメセリフ取られちゃったよ!(笑)」 


Q.ラチェットとコーテナについて

「ラチェットさんはですね、私と一緒で普段とても大人しくて……あの洋館の方で撮影になった時も、同じ部屋で二人座っていたときに『あ、ども』って敬語で挨拶をしてきたんですよ。私、思いっきり年下なのに」

「礼儀正しいなぁ~(笑)」

「コーテナさんは本当に元気で! 『お姉ちゃん!』って呼ばせてもらってます!」

「作中では君がお姉ちゃんなのにね」

「はい。ですので、その時は目いっぱい可愛がることにしています(笑)」

「若いのに良い根性だなぁ~(笑)」



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 メインキャスト四人も、役柄に入れば雰囲気は変わる。


「それじゃあ、今日も元気に言ってみよー!」

「全く、ブチまけた話、元気な奴だぜ」

「良いではないか。それも若さだ」

「やれやれ、人生の大先輩が言うと重みが違うねぇ~」


 元気なヒロイン。愉快な何でも屋。大人な謎の少女。


「うるさい奴だナ……全ク」


 そして、不器用ながらも面倒見の良い主人公。


 

 この四人いてこその道連れフロンティア。

 今日も彼らは、それぞれの役柄を色濃く演じていく……。



(後半へ続く)

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