伯爵令嬢であったメルセデスは、父により結ばれていた見知らぬ相手との婚約に反発し、立場も身分も棄てて家を飛び出してしまう。
独り列車に乗り異国へを目指そうとしていた矢先、彼女を追ってきた侍女のリーゼロッテと再会し、二人はともに旅をすることに。
元貴族令嬢と専属侍女という身でありながら、彼女らは戦闘技術にも優れており、旅先で遭遇する事件を次々と解決してゆきます。
特別製の武器と魔導を駆使したバトルは圧巻ですし、巨大な魔獣相手に策を巡らせ、勝ち筋を探るメルの戦闘センスには毎度驚かされることでしょう。
目的地はあるものの、困っている人々を放っておけず、虐げられている者たちに寄り添う彼女らの優しさと強さは、どこからくるのか。挿し込まれた幕間の物語にて明かされゆく少女たちの壮絶な過去が、それを少しずつ浮き彫りにしていきます。
人脈をつなぎ、仲間を得、ひたすら進む少女たちの道に先には果たして何が待ち受けているのか。
まだまだ物語は中盤でしょうか。
自らの在り方を求めて戦う少女たちの姿、ぜひお読みください。
正直、私はこのお話を読み始める前に。タイトルから予測していたのは、もっと恋愛系とか、ほのぼのした話でした。
違います。これは、冒険と戦いの物語です。
そして、親愛と悲しみの物語でもあります。
主人公の少女の過去は、想像以上に重く。悲しい。
そして、少女を支える……敢えてここでは元専属侍女の少女と言いますが。
二人の愛情と信頼は、やはり最初の印象よりずっと深い。
元貴族の少女剣士と、彼女を支える少女闘士の旅の行方は……!?
内容的にはバトル展開目白押しなので、女の子がガンガン戦うお話が好きな方には凄くお勧めです。
また、百合と聞いて反応するかたにもお勧め!
きっと、思った以上にシリアスで熱いお話が楽しめるはずです。