ようやく海女の話ですよ。海女という狭いような世界でもそれぞれ精通している人がいるもので、母はサザエやアワビを採るのが得意で海藻類は苦手です。私が聞いたものの中で印象に残っているのはナマコを採るのが上手な海女さんの話です。彼女達は獲物が居そうな場所をどうやって見分けているかというと、ナマコのフンがあるかどうかなんだそうです。もう驚愕しました。採る前にナマコのフンを磯で確認するだなんて！私なんかは居たらラッキーみたいな感覚でよく父と磯に行ったものですが、本業の方は知恵を持ってして少ないエネルギーで最大の成果を挙げるのです。

母は磯がお金に見えるそうです。宣言通りの収穫もしてきます。自然相手によくやるなと思います。祖父が海は畑と違ってこちらが何もしていなくても採るものがある、有難いと言っていました。

冬、寒いです。ウェットスーツ禁止の地区なので寒さは尋常じゃないはずです。ですが海女さんたちは今日もきっとどこかの磯に行っているに違いありません。