第97話 落穴センセーショナル

悩み。それはどこにでも、そして果てしなくあるのが人の世の常。

昔は汲み取り式のトイレが普通でバキュームカーも来ないような時代でしたから、トイレに汚物が溜まると母がその名の通り汲み取っていたわけです。ここで悩みが生まれるのです。汚物が臭い?いやいや。汲み取りがめんどくさい?いやいや。そんなのは悩みのうちに入りません。

真の悩み、それはうちの庭のどこに汲み取った汚物を埋めるのか、です。前はあそこだった。その前はこっちだった。じゃあ、そっちがいいかしら。悩みに悩んで穴を掘ります。うちはそんなに庭が広くなかったし、畑を持っていなかったのでどこにでもという訳にはいきませんでした。

後は察してください。

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