第91話 ゴシの話32

アラハントの5人は、昼食後、少し行ったところの

ゴールデンオーカ城というのを見に行く。

すると前に、ゴシとリョーコが歩いていた。

 

フェイクが思わず声をかけそうになるのをウインが

止める。

 

「まさかあの二人がなあ」とエマド。

「まだ手はつないでないよね」とアミ。

「リョーコさんねえ、あの紙切れ見せたら、え、うそ、

かわいい、って言ってたんだよ」とウイン。

 

「あ、それ、ちょっとわかる」とマルーシャ、

4人が、え? と言ってマルーシャを覗き込む。

「あ、いや、ゴシさんがタイプって意味じゃないよ」

 

母性本能をくすぐるタイプに弱いって意味、とマルーシャ

が説明するが、ゴシがどう母性本能をくすぐっているのか

エマドとフェイクには全くわからない。

 

二人に見つからないように後を尾けながら、独特な

構造をしているゴールデンオーカ城を楽しんだ。

 

最後にけっきょくゴシに見つかってしまったが、

二人が午前中に行ったという水族館の話を聞いて、

アラハントの5人もそこへ行ってみることにした。

 

この水族館では、生きているオーカを見ることができる。

巨大な球形の水槽の中に、オーカが泳いでいるのだ。

 

「このオーカって、さっきのゴールデンオーカ城の

てっぺんにあったオーカと一緒だよな」

エマドが誰となく尋ねる。

 

「そうよ。その昔、地球上のエンドと呼ばれた国で、

接している海の沖合でオーカが獲れたのよ。それを

剥製にして、金箔を塗り、城のうえに飾った、

それを復元したのがオースのゴールデンオーカ城よ」

 

ウインがどこから仕入れたのかわからない情報を語る。

そうして、けっきょく彼らは夕食の時間までオース

にいた。最後は8人で集まって、オースヌードルを

食べたのだ。

 

そして、翌日、木星第5エリアへと出発する。

これも、10日間の旅となる。

ゴシ・ゴッシーの料理教室も継続するが、

サクハリンの二人も参加することになった。

 

意外とこの二人、航行中は創作活動をがっつり

やるわけでもなく、暇らしいのだ。

 

そして木星第1エリアを出て二日目、エマドと

フェイクは、テルオの客船に遊びに行って

よいと聞き、小型シャトルで送ってもらう。

 

そこで、思わぬ場面に出くわすことになる。

 

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