第13話 時計を壊す
イリアが時計を壊すと、どこからか悲しい歌が聞こえ、嵐が起き、図書館の人々は形を失い、影となり、消えていった。
ここは全てが夢の中。今、全ての夢は壊れてしまった。世界をめぐっても誰もいないよ?
全ては僕の空想だったんだ。僕は人生の大部分を夢の中、つまり物語の中で生きてきた。僕はロイと言います。この世界と君を愛していた。君を、ユーグリッドが待っているよ。
残された、空色のコートを着た少年が言う。
ようこそ世界の果てへ。
イリア、私とこの世の黄昏まで過ごそう。
イリアは、ユーグリッドの世界の果ての城で監禁され、ベットに鎖で繋がれ、何度も行為をされた。痛がっていた最初も、もはや快楽に支配されている。それでも抵抗し、その度に身体に傷ができた。ユーグリッドはイリアの傷を包帯で巻き、愛おしそうに口付けした。
私もアナスタシアもこの世界が嫌いだ。
この世の黄昏まで、過ごそう、イリア。
end.
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