第14.5話 音楽会の少し後の日

「とーきっ♡」


「なんですか?」


 ぎゅー。ツチノコがトキに抱きつき、スリスリと頬ずりする。トキも抱き返し、笑みをこぼす。


「もー、ツチノコったら」


 トキの胸の中で子供のような笑顔を見せるツチノコ。トキがその頭のフードを下ろし、サラサラの髪を撫でてやると、少し恥ずかしそうな顔の後に大人しく撫でられるようになる。


「ツチノコ?」


「んー、なに?」


「幸せですか?」


「・・・トキは?」


「・・・答える必要ありますか?」


 トキがにっこり微笑み、ツチノコにその顔を見せる。ツチノコもぱっと笑い、元気な声を出した。


「幸せ!」


「うふふ、私もです」


 ツチノコがトキの胸の中から離れる。隣に座って股の間を広げ、とんとんと床を叩く。


「えへへ・・・」


 今度は、トキがツチノコの胸の中に入る。さっきと逆で、ツチノコがトキのことをくしくしと撫でる。


「んー、んーっ」


「どうした?」


 ツチノコの胸に顔をうずめ、はみ出した目で物欲しそうな雰囲気を出すトキ。ツチノコのことをじっと見つめ、何かを待つ。


 ツチノコはそれに応えるように、トキを撫でる手を離す。そして、そのおでこの髪をめくりあげて・・・


 ちゅっ。


「・・・そこじゃないです〜!」


「ごめんごめん、ついしたくなっちゃって」


「もぅ・・・」


 怒ったように見せるトキが、姿勢を起こす。目線の高さを合わせて、顔を近づける。


 ちゅっ。


「・・・やっぱりこっちも」


 またおでこに、ツチノコから、ちゅっ。


「私の唇よりおでこなんですかぁ〜・・・?」


「どっちも好き」


 ちゅっ。


「じゃあ私もツチノコの尻尾が好きです!」


 ちゅっ。


「ひあっ、急にしないで・・・あっ」


 ちゅっ。


「仕返しです」


「じゃあ私からも・・・」


 以下、無限ループ。幸せです。

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