時空の狭間にいずるモノノケ

お城のあるこの街では、過去と現在、異界と現世の境界が、混じり合って存在している。そのため、狭間から現れたモノノケ達が、ちょっとした悪戯をすることがある。
柳の下に現れる緑の女、何故かものを倍にして吐き出す石、煌めく幻影の魚たち、花園を独りはねていく手毬……。

何が好いと言って、こうした怪異を、街の人々が特に騒ぎ立てることもなく、当たり前のこととして受け入れている風情です。
個人的に、松江城周辺を思い浮べながら拝読しました。
もののけ譚がお好きな方に、お薦めです。

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