第153話 なんと、質問に答えるだけでキャラクターが造形できるらしい!
いま、カクヨム公式で、『きちんと学びたい人のための小説の書き方講座』という作品が連載されています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270
書いているのはフィルムアート社という会社です。ここは映画に関する出版を手掛けていて、その関係でハリウッド式脚本術について書かれた書籍を販売しているみたいです。
そういう流れで、ここカクヨムで小説の書き方について解説しますということのようです。
需要と供給といった観点から、素晴らしい企画だと思います。カクヨムには小説の書き方について飢えている人が大勢いますし、フィルムアート社としてはこれ以上はない自社の書籍の宣伝の場となります。
ぼくは、フィルムアート社の書籍は買ったことはありませんが、書店で立ち読みくらいはしていると思います。
しかし、ハリウッド式の脚本術。いま結構流行っているのでしょうか。その紹介をここでして下さるというのは、カクヨム・ユーザーにとっては誠にありがたいことだと思います。
ぼくも昔アメリカ式の小説作法本を読んだ学んだことがあるのですが、日本の小説講座などではほぼ触れられていない「対立」に重きをおくのが特徴ですね。
ぼくが読んだ小説作法本でも、小説は「キャラクター」「ストーリー」「設定」「対立」から成ると解説されていました。
いっぽう日本のライトノベルの書き方を解説した類の書籍などで、この「対立」について触れられているものを、ぼくは見たことがありません。
本稿でも、さらっと対立というワードが登場してきますが、そこがいかにもアメリカ式という感じです。
ただ、「対立」を重視するアメリカ式脚本術を知らない読者は、この「対立」という単語をスルーしてしまっている可能性が高いですね。
私見なのですが、プロットというものは、「キャラクター」「設定」「ストーリー」とそれらを繋ぐ形で「対立」が存在すると思っています。
「キャラクター」同士の対立、「キャラクター」と「設定」との対立、「キャラクター」と「ストーリー」との対立。
今回はキャラクター造形に関して語られた内容でしたが、これを読んだ読者の反応は二つに分かれると思います。「なるほど勉強になる」と「これではキャラクターは作れない」の二つです。
作れないと思った方がいたら、それはすこし勿体ないなと思いました。
今回の解説は、キャラクターに関する5つの質問に答えるだけで、自然とキャラクターが出来てしまうという内容でした。
以下がその質問です。
1 この物語の主役は誰か
2 何を求めているのか
3 なぜ求めているのか
4 失敗したらどうなるか
5 どのように変わるのか
今回紹介されたキャラクター造形法は、いうなれば「ストーリー」と「キャラクター」との「対立」の作り方ではないでしょうか。噛み合わせといってもいいかもしれません。
そもそも、二時間で終わる映画の脚本では、この造形法で十分足りると思います。が、もう少し長いスパンでキャラクターを描かねばならない小説や連載漫画では、おそらく不十分ではないでしょうか。
映画には、映像や音楽、派手なアクションや効果音などの、脚本以外の要素も多く含まれます。その中の一部である脚本の、さらにその中のキャラクターならば、上記の造形法で十分でしょう。ある意味、機械的に作られた「主人公」でも脚本内の部品としては十分に機能すると思います。
が、これも私見ですが、上記5つの質問に回答したとしても、たとえば「竈門炭治郎」は作れなくないですか?
5つの質問に答えたら、キャラが「おまえなんかより、煉獄さんの方がずっと凄いんだ! ずっと強いんだ!」と叫んでくれるのでしょうか。
たぶん、無いと思います。
ところが、逆に見ると、竈門炭治郎に関して上記の質問をあてはめると、極めて明確な回答がでるのも事実です。
とくに、2の回答が「妹を人間にもどすこと」であるのに対して、4の出来なかった場合の代償が「妹を自らの手で殺す」という、まったく対立した回答になっているとこなんて流石です。
上記五つの質問は、キャラクター造形の必要条件ではありますが、十分条件ではないのではないでしょうか。
いえ、別にいちゃもんつけているわけではありません。脚本術は脚本術であって、それ以上でもそれ以下でもないのでしょう。
ただしこの造形法自体は重要で必要なことであるので、ちょっと読んで、役に立たないとスルーしてしまう方がいたら、それは勿体ないと思っただけです。
公式連載『きちんと学びたい人のための小説の書き方講座』ではまだまだキャラクター造形について解説してくれるということですので、今後に期待しましょう。
で、ですね。
私事ですが、昨日から『カーニヴァル・エンジン戦記4 赤い悪魔』の詳細なプロットに入っています。特に問題が発生しなければ、このまま執筆まで行くと思います。
2月に入ると、また忙しくなって、果たして安定した精神状態が保てるか不明ですが、逆に精神を安定させるために書くならば、『赤い悪魔』であろうというのが結論です。
他の作品のプロットも進める予定ですが、たぶんプロットの方は『とき☆ハゲ』を一番に進めるのではないかな?と思います。
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