第110話 その主人公はなにをやりたいのか?
以前、フォローしている書き手の方のラブコメを読んだとき、こんなコメントをしたことがあります。
「この主人公のやりたいことは、何なのでょう?」
また、ぼくは『刀剣オカルトMØDE』という長編を書いたとき、不屍者がどうの
「主人公を、帰りたがらせれば、いいんだ」
つまり、別のキャラクターの解説や説明に対して、帰りたがっている主人公がいちいちリアクションをとれば、読者を飽きさせずに乗り切ることが出来ると考えたんです。
物語で動かすべきは、主人公の手足でも居場所でもなく、感情だからです。
さて、いま連載中の『宇宙海賊☠キャプテン・モーモー』なんですが、主人公の翼は将来CAになるという夢をもっています。じつはこれ、CAでなくても良かったんです。
が、CAとすると、彼女か宇宙船で銀河を飛び回っていことに対するシュールなギャグになると考え、CAにしました。
また、「CAになる」は、冒頭から本人が熱弁していることであり、彼女のやりたいことです。ただし、なぜCAになりたいのか?とか、CAになってなにをするのか?という突っ込んだ話はありません。
漠然と「CAになりたい」と叫んでいるだけです。子供の単純な「将来の夢」ですね。
物語の作り方にはいろいろあると思いますが、ひとつの方法論として、「その主人公は、なにをしたいのか?」を決めて、作者はそれをとにかく邪魔する。
そういうやり方もあると思うのです。
『モーモー』では、「CAになりたい」翼に対して、周囲は「あなたはパップン王子です」とか「宇宙海賊にならないか?」とか、素っ頓狂な要求をしてきます。
それに対して、翼は「だからあたしは女子だって」と反論します。そして主張します。
「あたしは、CAになるの」と。
もし逆に、翼が将来、特になりたいものがなかったとしたら……、これらの会話はずいぶんと味気ないものになっていたと思いますし、物語の推進力もおおきく下がっていたと思います。
物語の作り方として、「主人公にやりたいことを与え」、そして「それを叶えさせない」というのは、なかなか有効なやり方といえるのではないでしょうかと、最近は考えています。
あなたの主人公の、やりたいことは、何でしょうか?
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