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「それでワルプルギスさんは頭にきて魔法学校に抗議をしに行きました。その担当をしていたのがモリー先生で、ワルプルギスさんはモリー先生とぶつかったようです。その結果、ワルプルギスさんがどうしても記事を公表しないことに納得しなかったため、その妥協案として、新聞部という形で魔法学校側がワルプルギスさんを取り込んだですね。
その話を聞いて、ワルプルギスさんは妥協しました。それは負けを認めるということじゃなくて、魔法学校の中に入り込むチャンスだと、彼女は考えたようですね」
「なぜ魔法学校に入り込むことがチャンスになるんですか?」とメテオラが質問する。
「それはですね、幽霊の出る場所が魔法学校の敷地内に限られているからです。だからこれはまたとない潜入取材のチャンスだとワルプルギスさんは思ったわけですね」とにっこりと笑いながらマシューは答えた。
「ワルプルギスさんは僕にこう言っていました。『これはね私の勘なんだけど、今年はなんだかとても大きな事件が起こりそうな気がしているのよ。幽霊騒ぎはきっと、その大事件の始まりにすぎなんだわ。しかもその震源地は間違いなく魔法学校になる。取材の結果もそれを示してる。だからこれは本当にラッキーだったのよ。私の勘はねよく当たるのよ。そのおかげでこうしてあなたと情報交換ができているわけだし、嘘じゃないでしょ? ふふ、これから忙しくなるわよ。絶対スクープ取って見せるんだから』とね。あのときのワルプルギスさんは燃えていましたね」
「その幽霊のことなんですが、実は幽霊の正体なんですけど、どうやらそれは本物の幽霊と幽霊騒ぎに便乗した偽物の二人の幽霊がいるようなんです」とシャルロットが言う。
「二人?」
その話を聞いてメテオラたちはみんな驚いた。
「ええ。僕は幽霊は偽物だと考えていたんですが、ワルプルギスさんの集めた資料や、魔法学校の対応などを考えると、どうやら本物の幽霊もいるようなんですよね。それもかなり『やばいやつ』です。なにせ、大魔法使いソマリがずっと魔法学校に泊まり込んでなにやら対策を練っているみたいですからね」マシューが言う。
「そこで私たちはその『偽物の幽霊』のほうを捕まえようと思うです。先ほどのマシューくんのお話通り、この本物の幽霊という存在は私たちが想像していた以上にかなり『やばい存在』らしいですからね。
そちらは大魔法使いソマリにお任せしようと思います」シャルロットが言う。
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