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 魔法樹の苗が保管されている部屋の天井には青色の空の絵が描かれていた。

 メテオラたちは魔法樹の苗のそばに集まって、じっとその苗を観察した。魔法樹の苗はメテオラが思っていたよりもずっと小さくて、思っていたよりもはるかに美しかった。

 魔法樹の観察が終わると、メテオラたちはマシュー研究室の最初の部屋に戻った。

 そこにはマシューの机があり、その近くには休憩用の丸テーブルと椅子があった。メテオラたちはその椅子に座って、マシューが淹れてくれたハーブティーを飲んだ。

 パーシー先生は近くに立って、なるべくメテオラたちの邪魔にならないように、周囲にある植物の観察などをしていた。

 そのお茶会の席でマシューは自分の個人的な話をしてくれた。

「僕は周囲の魔法使いたちからよく天才と呼ばれていますが、そんなことを自分で思ったことは一度もありません。本当ですよ。

 僕はこの世界に生まれ落ちたときからずっと植物が大好きでした。ただそれだけのことなんです。魔法樹の苗を誕生させたことも幸運が重なっただけです。僕はほかの魔法使いたちよりもほんの少しだけ植物をよく観察し、その生態に興味を持って森の中を一日中歩き続けるような子供でした。そんな僕を見た周囲の大人の魔法使いのみなさんからも多くのことを教えてもらい、僕は自然と森や植物に対する知識を深めていきました。それからしばらくして、僕はある日突然、まるで天啓にでもうたれたかのようにある事実に気がつきました。それはこの森が生命の息吹によって満たされ、目には見えない輝きを放っているということです。

 その日を境にして、僕が感じ取る世界は今までとまったく違ったものになりました。……それはなにがきっかけだったのか、今はもう思い出すこともできませんが、おそらくそのときに僕の人生は決定づけられたのだと思います」

 メテオラたち三人はマシューの言葉に真剣に耳を傾けていた。

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