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魔法樹の苗の見学はマシューとメテオラたちの四人だけで行うものだと思っていたのだけど、どうやらパーシー先生が付き添うようだった。
「パーシー先生はずっと昔から魔法学校の孤児院の管理人をしているすごい魔法使いなんですよ」とマシューがメテオラたちに言った。
「へー」ニコラスが驚く。
メテオラもそのことは知らなかった。
メテオラは十一階の移動の最中、さっき出会った小さな魔法使いの女の子についてパーシー先生に聞いてみた。
「うーん、どの子だろう? メテオラくんの言うような特徴の女の子が孤児院にいたかな?」
パーシー先生は首をかしげる。
孤児院の管理人をしているパーシー先生が知らないということは、あの女の子は孤児院の魔法使いではなかったのかもしれない。
それからメテオラはマシューの研究室まで円環の通路を歩いているとき、ニコラスと一緒に下を見た。十一階から見る魔法学校の構造は圧巻だった。
全十三階建ての魔法学校はとても大きな建造物だと言えるだろう。やる気になればきっと森に住む魔法使い全員を収容することだって可能だと思う。そうなれば塔というよりは、もはやお城だ。
「さあ、みなさん。どうぞこちらへ」とマシューはメテオラたちを手招きする。
そこには普通の木製のドアがあった。そのドアの横にある表札には『マシュー研究室』という文字が書かれている。
メテオラたちはマシューについてマシューの研究室の中へと足を踏み入れていった。
マシューの研究室の中に入るとメテオラたちはそこに広がる光景を見て驚きの声をあげた。
薄暗かった魔法学校の中とは比べ物にならないくらいの明るい光にその部屋は満ちていた。天井にはたくさんのランプが置かれ、通路脇には水が流れている。壁には段差があり、さまさまな植物が植えられていて、メテオラはその植物の名前を半分も理解することができなかった。
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