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メテオラはうまくまとめられない自分の考えや気持ちをありのままに、二人に正直に話した。
するとニコラスとアネットは頷いて、メテオラの森を思う気持ちやなんだかとても嫌な感じのする胸騒ぎ、それから顔の見えない魔法使いさんのことについて思うことに、ある程度同意をしてくれた。
同じテーブルでメテオラの話を聞いていたデボラやアビー、マシュー、シャルロットも、メテオラの話を聞いて頷いた。
マリンなどはメテオラの話を聞いて、少し感動している節があった。
「ふふ。みなさん随分とお人好しさんばかりなんですね」とマシューは言った。
「じゃあ、あの話って、本当だったの? 星組の教室に幽霊が出たってこと? ……嫌だな〜」ニコラスが言う。
「まだ幽霊と決まったわけじゃありませんよ、ニコラスくん」アネットが言った。
「……卒業試験を受ける大切な年なのに、二人ともすみません」二人に頭を下げながら、メテオラが言う。
「べ、別にいいよ。メテオラくんがそうしたいっていうのなら!」少し慌てて、ニコラスが言う。
「そうです。それにもう決まったことですし、卒業試験のことでメテオラくんに文句を言ったりはしませんよ。それにどちらかといえば、文句をいうのなら幽霊を捕まえると言い出したマシューくんのほうです」アネットは言う。
マシューはアネットの言葉を聞いてにっこりと笑っている。
「……あ、あの!」マリンがなにかを言おうとする。
でも、そこでごーん、ごーんといういつもの鐘の音が遠くから聞こえた。
その鐘の音を合図にして、メテオラたちの集まりは終わりとなった。
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