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ごーん、ごーんという授業の始まりを告げる鐘の音が鳴り響いた。
その音が鳴り止んですぐに教室のドアがとんとんとノックされて、ドアが開いた。
そこからマグお姉ちゃんがゆっくりとした足取りで教室の中に入ってくる。マグお姉ちゃんの顔はいつも通りの笑顔だった。
「みなさんおはようございます」
マグお姉ちゃんがそう挨拶をして、メテオラたちが「おはようございます」と返事をする。
今日のマグお姉ちゃんはとても真面目な先生らしく、次の試験に向けて、これから授業で使用する新しい魔法書の種類などを説明して、それからメテオラたちの試験の結果を見てマグお姉ちゃんが感じた一人一人の問題点をまとめたレポートのようなものを一枚ずつ手渡しでメテオラたちに配ってくれた。
「さて、では質問がなければ、これから午前中の授業に移りますが、なにか質問がある人はいますか?」
マグお姉ちゃんの問いかけに「はい」っと答えて、アネットがぴしっとまっすぐ手を挙げた。それはいかにも優等生らしいアネットの姿だった。
「では、質問をどうぞ、アネットさん」
「先ほどの警報ベルはなにが原因だったのか、教えて下さい」
アネットが聞く。確かにそれはメテオラも少し気になっていた。誤報だ、と校内アナウンスがされたけど、それを本気で信じている生徒はこの魔法学校にはきっと一人もいないだろう。誤報というのは、魔法学校の先生たちのカモフラージュの常套句だった。
質問を受けて、うーん、と悩むマグお姉ちゃん。そんなマグお姉ちゃんをアネットは期待を込めた眼差しで見つめている。
「そうですね……。では、私の口から生徒の情報をしゃべることはよくないことなので、皆さんには自分の目で確かめてもらいましょう」
そう言ってマグお姉ちゃんは窓際まで歩いて行って窓を開ける。それからメテオラたち三人にこっちにいらっしゃい、という手招きをした。メテオラたちはお互いの顔を見合わせてから、窓際まで移動する。
そこからは魔法学校の敷地内に広がる校庭が見える。いつもメテオラたちが午後の時間に空を飛ぶ訓練を一日中している場所だ。その場所に今日は四人の魔法使いの姿があった。
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