臨床心理士の心得
『臨床心理士を目指す上でのポイントと注意点とは?』
一 臨床心理士に一番重要なこと――少しでも早くクライエントと良好な人間関係を築くこと。これは臨床心理士における最重要課題でもあるため、このことを常に意識しつつ、クライエントの治療を行うことが出来ることを忘れてはならない。
特に心理学を勉強したての者に多い傾向として、時期早々と問題を解決しがちだ。しかしこれではクライエントの意志や気持ちを無視することになるため、相手のペースに合わせることを前提にした上で、的確な方法で治療を行う必要がある。
それに加えて、臨床心理士はクライエントの心理状態をいち早くかつ正確に見極めることが重要なので、この問題については常に心にとどめて欲しい。同時に大学の講義で学ぶだけで理解出来るほど簡単な問題でもない。経験を積み重ねることが、一番の近道となる。
二 臨床心理士は自分の価値観をそのまま伝えてはならない。あくまでも心のケアを行う立場の臨床心理士は、相手の鏡になることを強く意識する――クライエントの「不安」を理解しつつも、相手に共感する姿勢を見せること。
三 風邪や発熱などの症状とは異なり、心の病は完治するまでに時間がかかるケースが多い。特に相手の心に残った傷が深ければ深いほど、多くの治療期間を要する。
そのことをお互いがしっかりと意識した上で、出来ることから一歩ずつ取り組んでいくことが重要。
四 臨床心理士はクライエントと個人的な関係を持ってはならない。目的はあくまでも心のケアであるため、一方が個人的な感情を持ってしまうと治療の妨げになってしまう。臨床心理士とクライエントという関係であることを、相手に認識してもらう必要がある。同様の理由から、自宅住所や電話番号・年齢・趣味などを語ることも厳禁。
ただしクライエントと臨床心理士がお互いに親しい身内・それに近い関係である場合には、この限りではない。
五 クライエントとカウンセリングや心のケアで知り得た情報は、第三者に開示してはならない。守秘義務や信頼関係を前提として行われる治療でもあるため、たとえクライエントの親族や知人などから情報の開示を求められても、臨床心理士はそれに応じてはならない。
ただし病院や関係者全員が一丸となってクライエントの治療を行っている場合には、一部の職員間で情報交換するケースもある。(その場合にも、最低限の情報にとどめる)
また一人のクライエントに対し、複数の臨床心理士や研修生らが連携して心のケアを行っている場合には、お互いに情報交換するケースもある。
六 クライエントの心の傷を癒すことが最終目標なので、臨床心理士が一方的にアドバイスをしてはならない。あくまでも目的はクライエントの自主的な考えによって導かれる、問題解決に向けたサポート。
逆に一方的にアドバイスをする――クライエント自身による考えや気持ちなどが損なわれてしまう。
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