強酸性


雨が降っていた

それはわたしの頭上だけだった

すぐ隣りは晴れていた

天気予報を確認した

「あなたの頭上は雨でしょう」

こんなことはよくあることだ

わたしは思った

だから今の内から慣れておかなくてはいけない

無表情を貫くことにした

だが雨は酸だった

「ぎゃー」

わたしは叫んだ

何故かたこ焼きでも食べたい気分だった

架空のたこ焼きをひっくり返す仕草をした

そしてそれを食べた

「もぐもぐ」

そんなことをしている場合ではないのにそんなことをし続けた

この現実から逃避したかったのだ


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