キャプテン燕


昼休みだった

おれの蹴ったボールは

ゴールキーパーに片手で止められた

片手で

そんなのありかよ

何もかもやる気が無くなった

天才ゴールキーパーなのだ

そこへ謎の転校生が颯爽と登場した

直後、ゴールネットに弾丸のようにボールが突き刺さった

「な………なにいっ」

ゴールキーパーは呆気にとられ言った

一歩も動けなかった

おれは

おれという存在は

もはやいてもいなくてもどうでも良かった

「なっ、なんということだ、あの天才ゴールキーパーからあんなにも容易くゴールを奪うだなんて………」

まさかそれを口走ったのが自分だなんて

とても認めたくはない


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