悪い冗談
夏の夜
網戸から紛れ込んできた
小さな羽虫
わたしが詩を書いていると
その電気スタンドに自殺しに来るのだ
飛んで火に入る夏の虫と言うけれど
電気スタンドでは情緒が無い
体当たりして
熱で机の上に落ち
しばらくしてからよろよろと歩き出す
それを少し観察する
こんな小さなものが
正確に動いているということに感心する
わたしはボールペンの先端でちょこんと突いてみた
くっ付いてしまった
ティッシュで丸め捨てた
こいつに魂があって転生するのならこの世界は神様の悪い冗談でしかないだろう
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