狂い出す領域
わたしは狂っていた
わたしはわたしが狂っていることを知っていた
把握していた
自分は白線の内側に所属していなかった
そしてどうやらわたしはそれほど狂ってはいないようなのだ
何故なら狂っている者は
自分が狂っていることを知らないからだ
口元に微かな笑みを浮かべた
「わたしは狂っている」
そしてわたしはそれほど狂っていないのだ
腕時計を見た
狂っていた
焦点の合わない瞳で真実を訴えかけていた
(殺すしかないのかもしれないな)
危険な思考に蝕まれいよいよ薄暗い廊下をたった独りで歩こうとしている
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