第3話

桐山 諒 side



『桐山くんへ。

さっきの古典のノート貸してください。(ㅅ˙³˙)♡』



ん、んんんんんんん????

なんだよこの可愛い手紙は。

え、普段無表情のくせしてこんな可愛い顔文字書くの?

え?字もかわいいんだけど?しかもメモ帳なにこれ。

すげーおんなのこ。かわいいんだけど。

やべえ。

授業どころじゃねえ。


こ古文のノートを急いで確認する。

変な事書いてねえか?!見られても大丈夫か?!

字は汚くねえか?!誤字はねえか?!

すげー確認して、よし、大丈夫だ。

さっきのメモ帳に、


『千坂さんへ。

俺のでよければどうぞ。

読みにくかったらすみません。』


そっとノートと手紙を机の上に置く。

そのあとは千坂さんの方なんて向いてられないから、授業に集中。

……なんて出来るわけない。

そわそわ、そわそわ。



***


千坂 璃乃 side


桐山くんすごい形相でノート確認してたけど、借りて大丈夫だったかな?

なんだか申し訳ない……。

でも、お返事付きで貸してくれるなんて、やっぱりいい人だなあ。

しかもノート超綺麗。

私のより見やすいんじゃないの?

見た目に反して実はできる人……。

昼休みにでも写させてもらおう。

望帆がみたらうるさそうだけど。


桐山くん、ありがとう。

今度お礼にパウンドケーキでも焼こうかな。


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