1000万人の少女
ある日、世界各国に同一の姿をした少女が降ってきた。一つの国につき、なんと1000万人の少女が同時刻に降ってきたのである。
世界中の人々が混乱する中、1000万人の少女はまるで風船のように膨れ上がって破裂し、辺り一面に紫色の液体がばら撒かれた。紫色の液体を浴びた者は同じように膨れ上がって破裂していく。破裂した者たちの体からも紫色の液体がばら撒かれる。
世界は瞬く間に白銀世界ならぬ紫世界に姿を変え、ほとんどの人が死に絶えた。僅かに生き残った人々も事態が把握できずに混乱するばかりだった。その数秒後、生き残った人々はさらなる混乱に陥ることになった。
紫色の液体が時間が巻き戻るかのように集まり、1000万人の少女が元通りに復活したのである。1000万人の少女は不敵な笑みを浮かべ、生き残った人々を殺し始めた。
人々は悪魔と叫んだが、1000万人の少女の正体は天界の使者だった。神の命により、人間を殺しに来たのだ。地球を温暖化から救うために。
地球は人類が誕生してから数えきれないほど温暖化の危機に陥っていた。そのたびに神は1000万人の少女に命令して人間を殺させ、人類の歴史をリセットしていた。
神は全人間が死んだことを確認すると、新たに人間を生み出し、人類の歴史をリセットした。人類はふたたび一から始めることになる。
今度こそ温暖化にならないことを願って――。
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