脳触り
私は階段を下りて地下室に向かった。
地下室の扉を開け、スイッチを押して電気をつけた。
壁に設置した棚には脳味噌が入った瓶が並んでいる。脳味噌は腐らないように、ホルマリン漬けにしてある。
私は中央の台に向かった。台の上には二十代半ばの女性が寝ていた。暴れないように体を固定している。
女性の頭にメスを入れていく。両親が病院を経営しているため、簡単にメスやホルマリンが手に入る。もちろん両親には内緒で勝手に病院から拝借してきた。
頭を開き、脳味噌を取り出す。シワが多く入っていた。
私は体が火照るのを感じつつ、脳味噌をペロリと舐めた。ツルツルした部分とザラリとした部分の割合がちょうど良く、最高の脳触りだった。ツルツルが多すぎるのは良くないが、なさすぎるのもダメだ。やはりツルツルとザラザラが半々でないといけない。その点この脳味噌は半々の割合だ。
最高の脳触りに出会えたことが嬉しく、私は脳味噌に頬ずりをした。この瞬間がたまらない。なんて心地いい脳触りだ。
私は涎を垂らし、脳味噌全体に染み込ませた。これでこの脳味噌は私のものになった。だって私の涎が染み込んでるだから。
脳味噌を瓶に入れてホルマリン漬けにした瞬間、思わず笑みが溢れた。
――また私のコレクションが増えた。
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