機械仕掛けの神はいない

作者 西塔鼎

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★★★ Excellent!!!

荒廃した世界を旅する少女ヒノエと、アンドロイドのクガイが、様々な人々との出会いを通じながら心を通わせていく物語。

文明が崩壊した世界ということで、ときに重苦しい場面にも出会うものの、少女ヒノエの台詞や仕草はいつも可愛らしく、また徐々に心が揺らされていくクガイの姿には、どこかふしぎな温かみがきゅっと詰まっているお話です。あと個人的に、キューちゃんが可愛い!
SF系らしい、綿密だけど読みやすい機械描写。人々の生活感なども巧みに描かれていて、雰囲気もあり、お勧めです。
世界に蔓延する棺病の謎、ヒノエとクガイの記憶を巡る旅も含め、その結末まですべて書かれています。死ぬために旅をしていた少女は、最後になにを掴むのか。この手の物語が好きな方は、ご一読をお勧めします。

★★★ Excellent!!!

棺病という正体不明の疾病、それと、機械や現代人類文明を先史と呼ぶ世界での、一人の少女が死ぬための旅をする物語。
全体的に読みやすく、すんなりと読み進められるのですが、ちゃんと設定や謎が組み込まれており、章ごとの内容もキャラの感情について書いています。
物語の中に出てくる設定も、違和感がなく受け止めて理解できます。しかし、それは決してつまらない設定ではなく、ちゃんと謎を持っています。その謎は、少女の旅の中で次々と解けていくのを読むのはすごく楽しいです。
特に第三章「戦争」で明かされたあの設定と、第五章「機械仕掛けの神はいない」の内容は、タイトルそのものに埋め込まれた意味を明かすところが良き。(本当を言うとまだ完全に明かしたわけじゃないですが、そういうことか、そういうことだろうな⁉ と思わせるのがいい)
一体棺病というのはなんだろうか、文明を滅ぼした戦争の真実はまたなんだろうか。少女の身に宿る力や、アンドロイドの女王の真実はまたなんだろうか。いろいろと残された謎は、これからもまた開示していくでしょう。
今は少し終わりそうな感じがしますが、今までの物語はただのプロローグで、これからが本番だと期待しています。