第13話いつか青空

13 病床日記(いつか青空)

P 1961.8.10 木曜日 熱6.2~6.9

●朝から強い太陽がさしこむ。

●彼女くる。あまり話をしない。

●心配だ。ぼくと交際していることは両親に話していないのかも知れない。まだ交際がはじまって間もないのだから。

●心配だ。ぼくだけが夢中になっているようで、不安になる。

●心配だ。話してあるとしても、交際を反対されているのではないか。

●肋膜になるようなひ弱な男には未来はない。やめなさい。

●そう、いわれているのではないか。不安になる。

●どうして病気に、そけれも、胸膜炎なんかになったのだ。この病気は菌が出れば伝染すると嫌がられる病気だ。

●とくに田舎街では結核は系図だ、と忌み嫌われている。

●どうして、こんな病気になってしまったのだ。

●咳はひどくでるが、菌はでていない。それだけが、不幸中のさいわいだ。

●あまり口をきかずに彼女は帰って行った。

●明日から来てくれなかったらどうしょう。心配だ。


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