第12話 いつか青空
12 いつか青空
P 1961.8.9 水曜日
●熱5.7~7.2
●きょうは気分がいい。しきりと東京の友だちのことを想った。
●大野さんより『吠える』同人誌をいただく。詩の同人誌だ。これからゆっくりと読むことにした。
●美智子さんが来てくれた。
●「ガーベラ」彼女は花瓶に花をさしながら教えてくれた。
●ガーベラ。とうい彼女の声を、ぼくはbedの上に座って聞くことができた。花を差している彼女の横顔を眺めていた。
●なにかしているときの、集中しているときの、彼女。きれいだ。
●気分がいいと、壁によりかかって、上半身を起こしていられるようになった。
●「起き上がることができて……よかった」
●彼女がポソットいった。
●ぼくは見栄を張った。彼女を心配させないように、座りつづけた。
N 2008.10.17 金曜日
○わたしがこのブログを打っているとカミサンが部屋に入ってきた。
○「ガーベラの花言葉、調べてくれないかな」
○「我慢強さ。神秘。燃える神秘の愛。常に前進。チャレンジ。元気な笑顔。気持ちを明るく前向きにしてくれるという意味。」
○どの花言葉もあのときのふたりの気持ちにぴったりなので感激してしまった。
○「花言葉――知っていてガーベラを選んだのかな?」
○カミサンは少し顔をかしげた。そして神秘的な笑顔をみせた。
注。Pと●は過去の日記。Nと○は現在の日記です。
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