パートナー

作者 すばる

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★★★ Excellent!!!

宇宙開発競争が激化している2032年。未知の大流星群が発生した夜、日本初の宇宙ステーション<もちづき>に異変が起こる。次々に起こるトラブル、鳴り響く「地獄のラッパ」=警告音。瞬く間に<もちづき>は制御不能に陥り、高度低下が始まった。

このまま行けば、巨大な宇宙ステーションが地球に墜ちる。

大気圏突入まで72時間。搭乗員の自力での脱出は不可能。
墜落予想地点では甚大な被害が予想される。

この絶体絶命の危機に立ち向かう<もちづき>の搭乗員とJAXA(日本宇宙開発機構)の技術者たち。さらに電脳空間では世界中のアノニマスたちが立ち上がる。

世界の運命を託されたのは、計算マニアの少年とその介助ロボットだった――。

この作品を読みはじめた当初は、映画『アポロ13』+『サマーウォーズ』(ネットを介して無名の人々が力を合わせる点で)というイメージを持っていたんですが、読み終わっての印象としては、もっと緻密で、よくできている小説だと感じました。

確かな知識に裏付けられたリアルな近未来観、宇宙・地上・電脳空間それぞれに配置された魅力的なキャラクター、伏線とブラフを張り巡らせた飽きさせない展開。

自信を持って「本格的なSF小説」と言える名作です。

★★★ Excellent!!!

この物語は、未知の流星群により宇宙ステーションが破損・機能停止し、そこに取り残された乗務員たちを救うべく奮闘する人々の姿を描いた、骨太なSFヒューマンドラマです。
この危機に対抗するキーとなるのは、弱冠17歳の病弱な天才少年サトルと、その"パートナー"である介護ロボットの「パスカル」。

最初から最後まで、壮大なSF映画を観ている気分でした。

精緻で無駄のない、それでいて熱のこもった筆致によって描き出される世界観。
突如襲ってきた脅威によって人命や国益が晒される危機に、各方面のプロフェッショナルたちが立ち上がり、総力を挙げてそれを防ごうとする緊迫感。
凄まじく有能な人々が高いプロ意識でもって全身全霊をかけて戦う姿は、胸に迫るものがあります。

曲げられない信念、貫くべき意志、そして心の中にある大切な絆。
それは時として、心を揺さぶるようなドラマを生みます。

私は物語の終盤からずっと滂沱の涙と鼻水が止まらなくなりました。だから家で一人でいる時に読んだ方がいいよ!
文句なしに面白かった! 重厚なSF作品を求める方におすすめしたい物語です。

★★★ Excellent!!!


 ある夜、地球の夜空を突然に彩った大流星雨。その原因天体の特定をめぐって軌道計算屋たちは鎬を削る。しかし、この美しい大宇宙の奇跡は、とんでもない置き土産を残していったのだ。

 国産初の宇宙ステーション<もちづき>、謎の高度低下。
 それは突然に、そして急激に起こった。
 対処に苦慮する日本宇宙機構。しかし、巨大な宇宙ステーションの墜落を阻止することは不可能であり、しかもその落下予測地点はアメリカ西海岸の人口密集地。さらに宇宙ステーションに滞在中の二人の宇宙飛行士のうち、救出できるのは一人のみ。もう一人は残念ながら……。


 若干十七歳の軌道計算屋サトルは、パートナーであるロボットの『パスカル』とともに宇宙ステーション<もちづき>を安全確実に海上に落下させる軌道計算に挑むのだが……。


 とにかく、次々と起こる危機、危機、危機の連続。必死に大災害を阻止しようとする人間たち。
 本作の題名である「パートナー」は、とうぜん主人公のサトルと、そのパートナーであるパスカルを指すのだが、と、同時に宇宙ステーションの乗員の二人であったり、直面した危機をなんとかしようと紛争する日本宇宙機構の二人であったり、そして地球と宇宙ステーション<もちづき>であったりする。
 え? 最後の組み合わせの意味が分からないって? でしょうね。ここは、読まないとわからないです。


 本作は緻密に計算された人物の行動があちこちで絡み合い、張り巡らさせた伏線のうえで華麗に錯綜する、宇宙と地球を舞台にした壮大なドラマだ。人間を描くことが苦手とされるSFというジャンルにおいて、ここまでの人間ドラマが書かれることは稀である。しかも、一見雑多に見える登場人物たちのなかで、無駄なキャラクターは一人もいない。すべてが主人公ともいえる群像劇だ。

 そして、そんな本作の核は、ひとつの目標にむかって、大勢の人間たちが… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

まだまだカクヨム歴が短い私ですが、間違いなく素晴らしい作品です。
緻密な設定、血の通った濃いキャラクター、そして豊かなくせに怒濤の勢いを体感できる表現力。特にその描写は是非勉強させてほしい。
最初のハードルが高いなんて仰ってますがなんの、私は一気に読み通してしまいました。

こういう作品が埋もれてしまうのは勿体ない。是非沢山の人に読んでほしいお話です。

★★★ Excellent!!!

本格的なSFです! そして感動作!
これ、凄いですよ。とにかく精緻な描写とリアル感!
そして、登場人物の生き様がカッコいい!
映画「アポロ13」やNHK「プロジェクトX」あたりを彷彿とさせます。

──アンドロイド、流星群、人工衛星、ネットワーク会議。重大事故。
組織の在り方。人のもつエネルギーと情熱……。

突如発生した流星群。事故を起こした人工衛星。
高度は下がり、大気圏突入までのカウントダウンが始まってしまう!
乗組員は二人。しかし救出できるのは一人のみ。
そして、もしも衛星が都市部に落下したとしたら……。

ネットの海に住まう天体好きな人物たちと専門家がタッグを組み、
日本国中、いや海外の人たちも巻き込んで、事態打開に奮闘する!
名言が散りばめられた人間ドラマ。やがて、胸熱の展開へ!!!

序盤、ちょっとだけ辛抱して読み進めてみて下さい。
描写が凝っているので……。ただ、ここが後の伏線にもなっています。
そこを超えると、一気に加速します!

SF好きさん! 凄い作品が、ここにありますよ!